じゃり ン 子 チエ その後。 高畑勲とアニメ版じゃりン子チエ、慈愛のまなざし

関西じゃりン子チエ研究会:ジュニアのカルテ

じゃり ン 子 チエ その後

チエの無二の親友といえば隣の席に座っている平山ヒラメちゃんだ。 何をするにも意気投合している。 ヒラメちゃんは日頃クラスメートからドンくさいと言われるが、地区の相撲大会に出たり、ラグビーや野球にも出場したりしている。 スポーツ万能とは言えないが必ずしも体育系の遊びが嫌いというわけではない。 3巻8話、11巻6話、15巻5話 また、最初は猫のトラブルで、いがみあっていた転校生のサッちゃんも、誤解が解け親友となるが、すぐに岡山へ引っ越してしまった。 引っ越し後も文通や、チエやヒラメが岡山へ遊びにいったりと交流は続いている。 彼女たちのことは詳しく後述するが、チエは店をしているだけあって、学校での友達関係は、それほど多くない。 右隣に座っているマサルやタカシは、チエに悪口を言うのが生きがいであるが、決してチエは友達とは思っていない。 ただし、マサルの母やマサル自身は、チエのことを友達だと思っている。 6巻4話、46巻2話 同じ学校ではないが、テツの鑑別所時代の友人の勘九郎の息子で自称「チエの結婚相手」の小学4年のコケザルがいるが、チエは彼を結婚相手どころか友達とも思っていない。 ところが、おバァはんやヨシ江、勘九郎はチエとコケザルは友達だと思っている。 本当は、そう思われること自体イヤなのだが、イヤな顔をするとヨシ江に怒られてしまうのだ。 もともと、コケザルは和歌山に住んでいたが、コケザルには今まで友達ができなかったので、勘九郎がチエとは友達になれると思い、わざわざ近所に引っ越してきたという経緯がある。 チエにとって、コケザルとは同じ校区でないことが唯一の救いである。 18巻2話、16巻5話、7話 チエの子供のネットワークは、ザッとこんなものである。 しかし、これとは別に、小学校4年のときに、もうひとり、チエが「友達」と称する人物がいたのである。 小学4年のマラソン大会でマサルは、チエの運動靴を隠してしまい、下駄で走ることとなった。 それでもチエは3着と健闘するのだが、マラソン大会のあと、隠した運動靴は机の中から出てきたのだ。 その原因についてチエは、こう語っている。 「マサル、ウチに負けるの悔しいから、隠すとこ、友達が見たゆうとったわ」 チエは、この証言をした人物を友達だと言っているが、冷静に考えるとイヤな奴である。 本当にチエの友達だったらマラソン大会の前に、この事実をチエに言うべきだろう。 それにマサルはケンカが強いわけではないのでビビらされることは、まずない。 1巻10話 当時、チエの家庭環境は今ほど幸福ではなかった。 ヨシ江が家を飛びだしていたからだ。 それに働かないテツを抱え、チエ自身がホルモン焼屋を切り盛りしている。 最近もよく言われている「イジメ問題」では、個性が突出したり、家庭環境が悪い者にイジメの刃が向けられる。 昔から、その構図は変わっていないが、現代はより陰湿になっている。 カルメラの表現を借りれば「サラリーマンみたいな顔をしやがって、ヤクザやったんや」と言うような子供がイジメっ子になる。 外見ではいじめっ子かどうか判断できないのだ。 5年生になった今、その友達とは縁を切ったみたいだ。 「藤井君」だった小林マサル 1巻49頁で、小林マサルのことを先生は「藤井君」と呼んでいた。 このシーンはマサルの名字が初めて判明した場面でもある。 なのに、4巻で藤井君は「小林マサル」になっていた。 なぜ、彼は「藤井」で通さなかったのだろう。 はるき悦巳先生は、7巻で、これを「間違い」と片づけ、1巻の再版から訂正し 「初版分を買っていた人以外はだませたつもりだった」と記している。 原作者がもみ消した初版本の問題部分が、左の画像である。 古傷をほじくりだすようで恐縮だが… 実は、未だに訂正されていないタカシの「浩二」「コウジ」以外にも、この漫画には、途中で名前が変わる登場人物が、あと4人確認されている。 そのうち1人は、今回のマサルと同様、再版分から訂正されたにも関わらず、コメントも訂正記事も出ていない。 31巻初版116頁 この件とは別に、もう1人も、おそらく知らない間に訂正されると思うが、で指摘している。 残る2人は誤植だけでは考えられない名前の変化をしている。 そのうち1人は、頻繁に登場するものの、滅多に名前を呼ばれないため、間違いではなく「姓と名を、それぞれの場面で呼ばれているのだ」と解釈する説が研究会内部で唱えられている。 とにかく、マサルとタカシ以外で名前が変わる4人とは誰なのか…一度、お暇な時にでも探してみてはいかがだろうか。 ただし釜地捨丸は除く。 彼については研究会の解釈が少し違う。 詳しくは「じゃりン子チエの秘密」195頁を参照してください。 ちなみに原作ではないが、 アニメ映画版の「じゃりン子チエ」の登場人物紹介でタカシは、なぜか「シゲオ」と紹介されている。 実際、映画でタカシの名は名前を呼ばれることはなかったが、彼の存在感のなさが、名前を正確に覚えてもらえない原因だと思われる。 マサルはいじめっ子か? 「チエの同級生。 勉強は良くできるが、いじめっ子。 趣味は悪口をいうこと」 映画やアニメが上映、放映されたころに、小学生向けに再編成された単行本『ジュニア版じゃりン子チエ』の「登場人物紹介コーナー」に載ったマサルの紹介である。 マサルのタイプからして、わたしたちが描く「いじめっ子」のイメージとは少しかけはなれているように思えるが、それは単に私たちの住む世界と西萩地区との「違い」だけとするのは間違いである。 マサルがチエに自慢や悪口をふっかけた勝負は62巻までに35回。 そのうちマサルが完璧に勝った勝負はたった2回である。 そのうち1回は、ホラー作文でチエが先に逃げだすが、そのあとにマサルが卒倒するという引き分けに近い辛勝である。 もう1回は家庭訪問直前で落ち込むチエをタカシとの共同戦線で「口撃」。 チエに反撃のチャンスを与えなかった堂々の勝利である。 いちばんイジメらしいイジメでもあった 1巻11話、2巻6話。 その反面、マサルは攻撃直前に自滅するというパターンが2回もある 3巻4話、57巻5話。 ちなみにチエが最終的に勝った勝負はマサルの自滅を含めて35回中23回。 テツやジュニア、タカシ、コケザルなどの妨害、ヒラメの圧力などで勝負がつかなかった戦い10回あった。 詳しくは別表を参考にしてもらいたい。 しかし、チエはマサルの悪口に、かなりダメージを受けているのである。 警官のミツルに、こんな相談を持ちかけている。 「悪口はなんぼゆうても罪になれへんのん…? もし、気の弱い少女がおって、その子が毎日毎日、悪口ゆわれとったら、どおなると思う。 その子がヤケクソなって、悪口ゆう子の家に火ィつけたら、どおなるの。 その子が、よその家に火ィつけたりしたら警察に捕まるやろ。 そやけど、その子は悪口ばっかりゆわれたから、そんなことしたんやで。 それでも悪口ゆうた方は罪にならへんのん。 その子はきっとテツみたいに鑑別所行きや。 テツは喜んどったやろ。 そやけど、気の弱い少女は、ものすごショックやねん。 鑑別所行くぐらいやったら、ウチ死んだる!…きっと、そおゆうな。 それで、その子が自殺しても悪口ゆうた方は罪にならへんのん」 この相談を受けたミツルの回答は、こうだ。 「そ…そおゆう場合は、その…ちょっとオレの専門とちゃうからなぁ。 そやけど、自殺だけはあかんで。 よぉわからんけど、チエちゃんみたいな子やったら大丈夫やわ」 チエが言う「その子」とはチエ自身を指しているのだが、この話から推察すると、 ときどきマサルの家へ火をつけてやりたいという衝動にかられることが多々あるようだ。 自殺もほのめかしているが「 死んでたまるかいな。 なんで死んでまでマサル喜ばさないかんねん」とチエは言っている。 9巻8話 チエが、いくらマサルとの戦いで勝利しているからといっても、マサルの口撃はジワジワとチエの体を蝕んでいるのは確かである。 チエの勝利は根本的な解決にはなっていないのだ。 チエ自身もそれに気が付いている。 「ウチ マサルを どついたことあるけど、死ぬまで悪口ゆわれるで」とヒラメに忠告したこともあるぐらいだ。 4巻1話 いったい、チエに対するマサルの口撃は何を目的としているのだろうか? 目的なき戦い 戦争は手段であって目的ではなく、戦争の目的は、その戦争への勝利であると中国の兵法書『孫子』に書かれている。 最近、新聞に載るイジメは、いじめっ子による恐喝、暴力による小間使いという形式ができている。 それは、あくまでもイジメをする目的であって手段ではない。 この場合の手段はいじめっ子の呼び出しとかイタズラにあたる。 しかしマサルの場合、チエに対する悪口は目的ではなく手段でしかない。 マサルの悪口攻撃を戦争とするならば、戦いの勝者は、ほとんどチエであるからして、必ずしもマサルは「目的」を果たしたとは言えない。 つまり目的が見えないのである。 そのひとつとして「手段」に綿密な計画を立てすぎて、目的を見失った点があげられる。 例えば、PTA主催のガラクタ市でのアトラクションのクラス発表の劇に、マサルは徹夜でシナリオを作り、チエとヒラメを主役にしてしまった。 それも金持ちの双子の役である。 腰巾着のタカシは「チエもヒラメもカッコええやんけ」とマサルに詰め寄るが、マサルは「メチャメチャなもんが、メチャメチャな役やったら、メチャメチャ演技うまいに決まってるやんけ。 おまえ、チエが、いつもどんな、しゃべり方してるか分からんのか。 チエがいちばん苦手なんは、ええとこの子のマネなんや」と説明している。 おまけに、マサルがチエをどつく場面まで設定されていたのだ。 あえて「目的」をこじつけるとすれば、チエとヒラメを、みんなの前で恥をかかせて、笑い者にしてやろう…となるだろう。 しかし、マサルの言動からは、それはいっさい感じられない。 ただ、単にチエやヒラメを困らせてやろうというだけなのだ。 主役に担ぎだされたチエとヒラメは、この話が決まった直後、落ち込み、一時は蒸発を決意するところまでいった。 マサルの思うツボである。 しかし、リハーサルでは、マサルがチエをどついた瞬間、チエはどつき返し、ヒラメも、それを止めるふりをしてマサルを殴り、反撃へ転じた。 本番での反撃はもっとエスカレートした。 チエとヒラメは幕引き係のタカシを本番前に校庭の隅へ呼び出し、チエをどつくシーンの直後に、幕を閉めろと脅迫。 こっちのほうがイジメのように思えるが…ここでは触れないことにする。 そして、本番。 劇の途中にヒラメの合図で幕が閉めらると、そこでマサルは袋叩きにされ、保健室送りにされた。 再び幕が開くと、チエのアドリブで劇が進行された。 10巻2話、4話 ハッキリといって、マサルは「詰めが甘い」のである。 綿密な計画ではあったが、スキが多いうえに、腰巾着のタカシが脅迫に負けマサルを裏切り、返り討ちに遭うという結末になったのである。 ところで、このマサルの劇で意地悪の攻撃対象になったのは、チエとヒラメだけではなかった。 マサルとは学級委員選挙の対抗馬である他所見君にもマサルの刃が少しだけ向けられたのである。 しかも、その目的もちゃんと存在するのだ。 他所見君の役は、劇の開演前に、劇の題名を言うだけというもの。 彼に対する「配役」は他所見君に、いい芝居をされてヘンに人気が出るとマサル自身の学級委員の立場が危うくなるからである。 すなわち、他所見君に対しては利害関係という目的が生じるが、逆にチエやヒラメに意地悪をしたところでマサルの利害関係は一切ないのである。 イジメの美学 チエは「なんで死んでまでマサルを喜ばさないかんねん」と言っているが、果たしてマサルはチエに「死」を強要しているのだろうか? マサルはチエにライバル打倒の共闘を申し入れたことがある。 転校生の米谷里子は、いきなりのテストでマサルとほぼ互角の点数を取った。 これを知ったマサルは、里子にテストの点で負けないため、不眠不休の勉強を強いられ、グロッギー状態になっていた。 学校でチエを見ても何の反応も示さなくなった。 そして、ついに、マサルは口にしてはいけない言葉を発してしまったのである。 「チエ~。 チエ助けてくれ~」 冷静な腰巾着タカシですら「あかん……最悪や。 チエに助けてくれやなんて」とマサルの不調を分析している。 45巻8話 しかし、マサルの闘争本能は正常に機能していた。 チエやヒラメに向けられた闘争心ではなく、米谷里子に対する闘争心である。 しかも、里子にダメージを与えて自分のライバルから蹴落とすという利害関係を持った目的が、ちゃんとあったのだ。 その照準は冬休み前のマラソン大会。 ここで里子を打ち負かそうとするのだ。 だが、マラソン大会で完走したことがないマサルにとって、チエは、マサルの持っていない力を補完する運命共同体に組み込まれようとしていた。 「オレらには、ちゃんと秘密兵器があるやないか。 チエや。 チエは人間やないどお。 中略 チエにコテンパンにやられて、もぉ、勉強でも体操でも立ち直れんようになってしまうんや」 45巻11話 チエはマサルに協力するつもりはなかったが、マサルの思惑どおり、チエは里子を圧倒的速さで負かし優勝した。 里子はチエに負けないための一心で、チエの後を必死でついてきたが、途中で倒れリタイヤしてしまった。 そのあと里子が倒れたことを知っているマサルは、里子を心配してチエにこんなことを言っている。 「オレ、チエに勝てとゆうたけど、死ぬ目にあわせなんて、ゆうてないど」 46巻7話 マサルは攻撃相手を死ぬまで、追い詰めようとは考えていないのだ。 ここに、マサルの美学があると考えられる。 マサルには「貧乏人」「不良少女」「頭が悪い」という悪口の常套句があるが、チエには全くこたえていない。 むしろその言葉に肉付けされるホラー小説のような不気味な悪口の方がチエにはこたえていることを、マサルはよく知っている。 「ホルモンの串が眼につきささる」とか「脳ミソのシワ」の話とかである。 悪口は「貧乏人」「頭が悪い」からスタートするものの、 最終的にはホラー小説の発表になり本質的な個人攻撃にはなっていないのである。 たしかに最初のうちは暴力少女チエに対抗するため剣道を習いにいったりしていたが、チエには勝ち目がないと悟ったのか、無駄な努力と悟ったのか、それ以降、暴力でイジメようとはしなくなったこともあげられる。 しかし、この変遷をマサルの「美学」であると結論づけるにあたり「美化しすぎる」という意見もある。 その理由は事項に譲る。 攻撃錯乱型の歪んだ愛 もともと、小学生時代の恋愛というのは、ついつい好きな異性をイジメて喜ぶという、サディズムのような恋慕が多い。 そこにきて、最近は情報化社会のおかげで恋愛感情が早熟だといわれる。 思春期の年齢が低年齢化してきているのも、そのせいかも知れない。 ジュニアは、マサルはチエのことを好きではないかと疑ったとき、マサルの愛情は「多弁的攻撃錯乱型の歪んだ愛」だと論じている。 11巻10話 コケザルがマサルの前で「ワシはチエの結婚相手じゃ」と宣言したとき、 マサルはショックだった。 その直後、チエの家へ「幸福の使者」というペンネームで使ってラブレターらしきものを投げ込んだ。 その内容は次の通りである。 「結婚をあせるとヒドイ目にあうど。 親を見たら分かるやろ。 結婚は一ペンしたら、もぉ終りやど…」 その手紙を投げ込んだ帰り、マサルは公園でお好み焼の食べすぎで、公園のベンチでうなっているテツを見て、こう呟いている。 「分からんのか。 チエ、あんな奴、テツと一緒やないか。 悪口やと思わんと、ちゃんと読めよ…」 次の日、タカシは、マサルが、このごろチエの悪口を言わないので、その理由をいろいろと尋ねるがマサルは上の空だった。 それどころか、さらに詮索しようとするタカシに八つ当りしている。 そして、また、チエの家へ手紙を投げ込んだ。 「テツはアホや。 テツのアホはもお、なおらんけど、アホの子や思て、あきらめるのは、まだ早い。 あんなテツといっしょにおって、それでもテツみたいな奴と結婚したいのか」 チエには、誰がこの手紙を書いたのか、この時にハッキリとわかった。 2通目の手紙を投げ込むとき、マサルはこう呟いた。 「お母はん見て分からんのか。 あんまり不幸になり過ぎたら、こんにちわゆうて、笑うだけになってしまうんやど。 大人になってオレが悪口ゆうても笑うだけやなんて…オレはどおなるんや」 18巻2話、3話 これはマサルが抱く、チエに対する多弁的攻撃錯乱型の愛情表現なのだ。 大人になってもチエに悪口を言える関係といえば、夫婦関係ぐらいしかないだろう。 まだ、漠然としたものではあるが、マサルの、チエに対する屈折した恋愛を垣間見ることができる。 それに、マサルの攻撃に反撃しなくなったときこそが、本当にチエにとって不幸なのだということを伝えようとしている。 ときどき、チエに作文や宿題を忘れているのではないかという大義名分で悪口攻撃をすることもあるが、それは普通に「チエ、おまえ宿題忘れてないか。 ちゃんとしとかな、あかんど」と言いたいところを、わざわざ、悪口を兼ねて警告しているとも思える。 それに、時計やカメラを買ってもらったとか、ハワイや東京ディズニーランドへ行ったなどとチエに自慢しているが、これも愛情表現の裏返しではないだろうか。 「オレとつき合うたら、こんなエエこともあるんやど」と本当は言いたいのかも知れない。 しかし、その行動は女性から見ると、いちばんイヤなタイプではある。 チエの思いやり かたやチエは、マサルのことをどのように思っているのか。 とにかく、とことん嫌っているのだ。 体にちょっと触れられただけでも 「なにするねんエッチ!! 寒いぼ立つわ」と罵声を浴びせ、ランドセルで頭を張り飛ばすほど嫌っている。 18巻7話 ある日、拳骨からテツは「 ヨシ江が 好きやから人間曲がった」と聞かされたチエは「人間曲がるゆうことは好きなモンの悪口ゆうことやろか」と考え 「あいつ、ひょっとしたらウチのこと、好きなんやないやろか。 あれだけ、ウチの悪口ゆう奴も、おれへんもんな」と推理していた。 考えるうちに、チエは気持ち悪くなってきた。 しかし、それほど嫌っているのかと思えば、そうではないようなのだ。 相撲大会少年の部で西萩地区が優勝し、勝手にキャプテンになったマサルは学校新聞のインタビューで、大活躍したチエとヒラメのことを「女のゴリラ」と答えたことに、ヒラメは激怒。 「 悪口が言えないほど 口が聞けんぐらい、どついたらどおやろ」と言うヒラメにチエは「やめとき。 みんなにゴリラやと思われるで」と自制を促した。 このときチエはマサルに何の抵抗もしていない 4巻1話。 いったい、これはどういうことなのだろうか。 さらに、マサルはチエとヒラメに催眠術をかけて、チエをニワトリに、ヒラメをカメにしようとしたこともあるが催眠術は全く効かず、チエは疲れて眠ってしまったマサルから催眠術の本を取り上げた。 しかし、それをマスターしてマサルに逆襲しようとはしなかった。 この出来事以来、マサルがチエから逃げるようになったのだが、チエは冷静に「今度はウチに仕返しされると思てるんとちゃうか」と他人事のように言っているのだ。 28巻1話、2話 もしかすると、マサルの悪口の先制攻撃に毒され、チエの心にサディズムにはなれない、マゾヒズムが芽生えてきているのではないか…と思えてならない。 それがわかるのは、マサルが不調のときに悪口を言うと、チエは「全然迫力ないなぁ」「どないしたんやろ、全然迫力ないなぁ」と言っている。 3巻6話、6巻1話 言い換えれば、チエは悪口でマサルの不調を判断できるぐらいの余裕がある。 そのことで、気遣うところなどは、チエの母性本能がくすぐられているとも考えられる。 それを裏付ける、こんな重大発言もしている。 「マサルには、まず、愛を見つけてほしいわ」 56巻1話 この発言の頃、マサルは道に迷ったタヌキを育てていた。 そのタヌキを育てるうえで、動物への愛情が芽生え、マサルはタカシに「オレのココロには愛が充満してるねん。 中略 そやから、タカちゃんにもやさしいねん。 タカちゃんだけやない。 チエちゃんにもヒラメちゃんにも…」と話している。 そのことをタカシから聞いたチエは気持ち悪がるが、このとき、つい「愛を見つけてほしい」発言が飛び出してしまったのだ。 チエは、この発言当時、マサルがタヌキを飼っていることを知らなかった。 つまり、チエはマサルを嫌っているように思っていても、屈折したマサルの愛情を受けとめていたと考えられる。 この「愛」発言のウラには「素直にウチのこと『好きや』てゆうてくれたほうが気が楽やワ」と言う複雑なチエの気持ちが隠されているのかも知れない。 アンチ管理教育 マサルの愛情表現をねじ曲げている原因は、度を超した悪口にある。 悪口が長期にわたって言えなかったときはノート10冊にしたため「 悪口を 聞いてくれんと、オレ死んでしまう」。 それも晩の2時までかけて、じっくりと悪口を書く。 勉強の時間を惜しんでまでも悪口に専念する。 3巻3話、4話、4巻1話 そこまで、彼を追い詰めている存在がマサルの母の一点豪華主義の愛情である。 一人息子のマサルに家庭教師、絵画教室、塾…とにかく勉強でがんじがらめにしている上、タカシとの当てのない旅行に出かけたときには、あとをつけたり、料理コンテストではフランス料理の材料を揃えたり…母はマサルに芽生えた自立心をことごとく摘み取ってしまうのである。 6巻1話、2話、38巻6話、23巻2話、47巻11話 逆に、マサルも誕生日や勉強が良くできるのをネタに母親から色々な物を買い与えられている。 ジャンパー、電卓、カメラ、服、時計。 天体望遠鏡、トランシーバー、目覚まし時計、靴、フランス料理の本などがそうだ。 そのうち、カメラとトランシーバーはチエいじめの小道具として買ってもらった物だが、母には「家出する」と言って、なかばユスリ同然で買ってもらった品である。 もちろんチエを懲らしめるために買ってくれとは言えない。 なぜなら「0点の奴の相手しとったらアホになるゆうて、お母はんにおこられる」からだ。 逆手に母を利用しても、結局は母の手の中で生きているのだ。 1巻5話、1巻7話、2巻11話、3巻1話、6巻1話、12巻3話、32巻4話、9巻6話、31巻3話、47巻8話 この異常なほどの管理教育に対するストレスのはけ口がチエへの悪口である。 チエは学校に通いホルモン焼屋を経営しているが、常に自由奔放。 学校の帰りにお好み焼を食べたり、夏にはかき氷をほおばったり…「日本一不幸な少女」とはいうものの、マサルから見れば誰にも抑圧されず、自由を謳歌している少女なのである。 いわば「あこがれ」なのだ。 かき氷のときなど、マサルは母にかき氷屋でかき氷やトコロテンを食べたいと直訴したが、その直訴はことごとく棄却されている。 棄却理由は「母さんがマサルのためを思ってよ。 店で食べる氷は不潔なの。 どんな手で氷や食器をさわってるかも知れないし、洗剤で食器洗ってるんでしょうけど、あれだって毒なのよ」。 15巻4話 それが顕著にあらわれているのが、マサルの母が勝手に企画したマサルのバースデーパーティーである。 招待されたのはタカシ、チエ、ヒラメ。 この招待客の顔触れを見て分かるとおり、マサルも友達が少ない。 しかもタカシ以外は、主催者のマサルを含めてノイローゼ状態に陥ってしまった。 マサルはタカシに「おまえ神経ないんと違うか。 オレのお誕生会に呼ばれて普通の顔してるの。 おまえだけやんけ」というほどだ。 当日、マサルは家出するが、そこをテツに追い掛けられ、ついに脱毛症になってしまった。 34巻12話 しかし、氷屋のかき氷を「毒」扱いにしたマサルの母であるが、誕生日直前の夕食は、ほとんどが出来合いの惣菜である。 洗剤が毒ならば、冷凍食品のカニコロッケに含まれる化学調味料や食品添加物、魚の刺身に残留する海洋の汚染物質や撒餌の抗生物質などは、その数倍猛毒のように思えるのだが…。 口では 「なんでオレがチエより不幸にならなあかんねん」 3巻6話 とは言うもののマサルは、どんなに勉強ができても、テストで百点を取っても、物を買い与えられても自分がチエよりも不幸だということを自認しているのだ。 悪口のフォーメーション 母によって無言に強いられている勉強ができないぐらい悪口を考えるのは、ある意味では逃避行動と解釈できる。 チエに対する悪口を考えることによって、母の管理教育を一時的に忘れることができるのである。 勉強時間に限らず、ちゃんと、逃避への準備も怠らない。 遠足の前日、その準備も楽しくなるのと同じ心理である。 つまり取材にも余念がなく、チエの家で騒動が起きるとさり気なく傍観者になりすまし、ある時は気づかれないようにメモをとったりしている。 2巻4話、49巻11話 しかも、チエの表情でチエは何を思っているのかをピタリと当ててしまうことができる。 「今日はやめとこ。 口では笑てるけど、目は笑てないど」 9巻7話 「あの顔は、昨日まだ 宿題の日記 二日分は書けてなかった顔や。 オレはチエのことはなんでも分かるんや」 18巻1話 「今日はチエ、給食のキャベツ残してたから 校門の こっち側通りよる」 18巻1話 「ニヤニヤしてたけど、ここ 顔 に汗かいてたやろ 中略 あれは、テスト悪かったから、笑いでごまかしてた証拠やないか」 43巻6話 さらに、チエを分析した結果から編み出された悪口のパターンを持っている。 「チエに悪口ゆうのは チエが店の前を掃除している そおゆう時が一番ええんや。 忙しいてイライラするほどオレのペースになるからな」 25巻2話 しかし、このパターンで悪口を言って、マサルのペースになることは、ほとんどない。 暴力による反攻や、完全無視という反撃パターンがチエによって編み出されているからだ。 8巻8話など これとは別に、マサルは難攻不落の「悪口の黄金分割」というフォーメーションを持っている。 それはチエを先頭に、その3メートル後をマサル、50センチ後方にタカシという配列が生む独自のコロシアムだ。 これが完成すると、後方からジワジワと、自宅または学校まで徹底的に悪口攻撃をするのである。 これは催眠術の一種と言ってよい。 チエがこのフォーメーションを崩すには、走って逃げるという手があるが、マサルの経験から計算されるチエの不調時に、この布陣を敷くとチエでも逃げられなくなるのだ 14巻79頁。 特に下校時はヒラメが一緒のときが多いので、ヒラメがチエと別れたところを見計らって、マサルとタカシがこの黄金比を構成すべくスクランブル発進するという危機管理も忘れていない。 なにしろ「二人がかりでやられたら、オレら死んでしまうから」だそうだ。 7巻11話、31巻3話 マサルの悪口はヒラメにも銃口が向けられることがあるが、それはチエに対する悪口とは異質のものである。 チエを劇の主役にして、金持ちの女の子の役をやらせて、こらしめようとしたとき「この頃ヒラメもなまい気やから、ついでに双子にしたったんや」と言っている。 あくまでも「ついで」なのだ。 なぜならヒラメに悪口を言おうとしても、徹底的な無視や悪口を言う前に暴力で封じてしまうからである。 チエのやり方ではヒラメには通じないのである 9巻7話、16巻10話など。 万難を排してヒラメに悪口を言っても暴力で仕返しされるので、決してマサルの本命にはなれないのである。 16巻1話 [付録] チエvsマサル対戦成績一覧 悪口の内容など 勝者 決まり手 宣戦布告頁 1 「宿題忘れる奴はアホ」 チエ 丸太ン棒で殴る 1巻 15頁 2 授業参観でテツにどつかれた恨みを晴らす チエ 悪口を言う前に下駄でどつかれる 1巻 60頁 3 買ってもらった服を自慢 チエ 偽の札束で逆襲 1巻 85頁 4 100点の答案を見せびらかしながら「寄り道する奴は不良」と絡む チエ チエの「生活設計て知ってるか」の問いに答えられず 1巻125頁 5 チエの家庭訪問の日に「チエの家は日本一家庭環境が悪いねん」 マサル 落ち込むチエに反撃の余裕を与えず 1巻207頁 6 剣道勝負 チエ ふりかぶった竹刀をチエに取られ、返り討ちに遭う 2巻 6頁 7 作文朗読「ウチのお父はん」 マサル 恐怖でチエとタカシが逃げだす。 マサルもその後卒倒 2巻116頁 8 テツは刑務所にいったなどと絡む なし マサルはテツにどつかれる 2巻135頁 9 インスタントカメラで授業中に居眠りをしているチエを撮影 なし ジュニアにどつかれ、写真を没収される 2巻225頁 10 買ってもらった服の自慢 チエ 同じ服をチエが持っていたため、マサルは、その服を着なくなる 3巻 45頁 11 悪口ノート 自滅 チエに逃げられるが、マサルは追い掛ける途中で転倒 3巻 66頁 12 「親をどついたら生き埋めになる」 チエ 一時はマサル優勢だったが「ただの不良少女やないで、テツの子やで」とチエの反撃でノックアウト 4巻133頁 13 チエの通知簿の悪口 チエ 簡単にのばされる 5巻 28頁 14 デジタルの腕時計の自慢 なし マサルが家庭教師の時間のため、途中でゲームセット 6巻 5頁 15 遠足の弁当の悪口 なし タカシがチャチャをいれたためゲームセット 6巻172頁 16 「オレなんか脳ミソ、シワだらけなんやど」 なし 後をつけてきたヒラメにどつかれる 7巻219頁 17 絵の自慢 チエ ホウキでどつかれる 8巻163頁 18 悪口 チエ 敵前逃亡 9巻150頁 19 クラスの劇の主役にして、こらしめる チエ 本番で暴行を加え、保健室送りにする 10巻 31頁 20 トランシーバーによる遠隔地からの悪口攻撃 なし テツがトランシーバーで怒鳴りつける 12巻 67頁 21 事実上の第20戦の後半戦。 テツにどつかれた写真を見せる なし 写真を渡すときコケザルに絡まれる 12巻146頁 22 第21戦のリターンマッチ。 写真を焼増し授業中にチエに見せる なし 先生に見つかり、写真を没収される 12巻156巻 23 「テツ行くとこゆうたら刑務所しかない」 チエ 後から先生が来たとハッタリをかまし、そのスキに逃げる 13巻 47頁 24 悪口「ホルモンの研究」 チエ ヒラメと共闘、窓ガラスをこすり、その音で気絶させる 16巻188頁 25 第24戦の復讐戦。 チエの家の窓ガラスをこすりまくる なし 双方の死闘で、菊、テツ、ジュニアが気絶 16巻201頁 26 日焼け自慢 チエ 日焼けの原因が「日焼けライト」であることを突き止める 17巻 42頁 27 「読書の秋」攻撃 チエ 本を読みながら歩いているマサルに話し掛け校門に激突させる 20巻 6頁 28 悪口ノート「テツ大好き」 なし 待ち伏せするが突然の大雨でノートがずぶぬれになり未発表に終る 22巻 64頁 29 観察記録「セミの観察記録」 チエ 発表中に吐き気 26巻207頁 30 クーラー自慢「北極の部屋で寝るど」 チエ 本物の北極では風邪をひかないことを知ったチエは「もおちょっと勉強してほしいなぁ」 27巻 7頁 31 催眠術攻撃 チエ マサルが眠ってしまう 28巻 11頁 32 ソフトボール対決 チエ チエの打球がマサルを直撃 30巻 83頁 33 ハワイ旅行自慢と悪口「ハイブスカス」 なし テツにどつかれる 40巻 79頁 34 テツ不在をネタに悪口 なし テツにどつかれる 50巻170頁 35 ソリ自慢 自滅 最新型ソリであそぶ前にマサルが家の前で転倒。 自滅 57巻 85頁• 悪口ノートの表紙を見せただけでチエが逃げる場面が多々あるが、これらは本戦の前哨戦に組み込まれているため、この勝負から除外している。 しかし、それが単独での勝負となっている場合は、記録している。 「自滅」は事実上チエの勝利であるが、マサルから宣戦布告し自責で負傷しているためあえて「自滅」とした。

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じゃりン子チエ作者はるき悦巳の今現在、年齢や作品は?|漫画家どっとこむ☆

じゃり ン 子 チエ その後

戦後の酒不足の時代、日本の各地で甘藷 かんしょ=サツマイモ や雑穀を使った密造焼酎がつくられ、これがヤミ市の飲み屋で売られ「カストリ」の名で庶民に愛されました。 カストリと言う名は戦後の混乱期の大衆のたくましい生き様を表現する格好の言葉となって流行しました。 問題は「バクダン」です。 石油資源に乏しい我が国では、国策として甘藷づくりが推進され、この甘藷を原料として、各地の拠点の国営アルコール工場でアルコールがつくられました。 飲むためのものではなく、石油に変わる燃料とするためでした。 このアルコールはほぼ100%のエタノールであると考えられ、水で薄めるとお酒として飲めるので、酒税がもの凄く高くついてしまいます。 そこで、メチルアルコール 慣用名:メタノール、強い毒性を持つ を加えて飲めないようにし、高い税金を取られないようにしました。 更に合成着色料でピンクに染められました。 このピンク色は「飲むと死ぬ、目がつぶれる」と言う赤信号でした。 この燃料にしか使えない工業用アルコールが、戦後の混乱期に横流しされて「バクダン」になったのです。 「バクダン」は甘藷が原料ですが、「カストリ焼酎」とは別次元のものです。 お酒というよりは、むしろエタノールです。 着色料のピンク色は木炭の粉を入れると吸着され無色になりますが、メチルアルコールの方はそうはいきません。 脱色された工業用アルコールを加熱しますと、メチルアルコールの方はエチルアルコール 慣用名:エタノール より、少し揮発性 メタノールの沸点64. この沸点の差を利用した方法で、メチルアルコールのほとんどは取り除かれました。 この方法を全くやってないもの、やり方がうまく行かなかったものが粗悪な密造酒であり、この密造酒が人を殺したり、眼を潰したりしたものと考えられます。 「ばくだん」の正体 物資の供給が途絶えた闇市時代に飲まざるを得なかったのが「カストリ焼酎」、食べ物では「ホルモン」であったらしいです。 それらは、それまで貧しい人が飲み喰らう物と思われていた品々だということです。 では、「バクダン」は何処にいってしまったのだろうか。 「バクダン」は、製造の許可なんておりたのだろうか。 そんなものを扱っていたら、営業停止になるなのではないのだろうか。 それに、 時代背景において、最初にチエちゃんが登場したのは、1978年 僕が一歳の頃 なので、その頃が果たして戦後間もない混乱の時代であったと言えるのでしょうか。 まず、値段を比較するために、81年版のアニメの第8話に出てきた「浪花盛」という一級酒を考察します。 このお酒は、ネット販売で720mlの商品が1,475円 同じ銘柄でもいろんな種類のお酒があります でした。 チエちゃんの店ではいつもコップになみなみとお酒をついでいるので、コップ一杯当たり、約200mlのお酒が消費されているものと思われます。 お酒の値段は原価の約2倍 勝手な予想 と考えられるので、単純計算でコップ一杯800円くらいだと考えられます。 高粱酒 コウリャン酒 のことを通称「ばくだん」というそうです。 ネット販売では、日本人向けに造ったもの アルコール度数44度 が、1. 8リットルで2,725円でした。 コップ一杯当たりの値段を同様に計算すると、600円くらいになります。 高粱酒は中国酒の中で一番強いお酒らしいです。 普通のお店では、グラス一杯 約100mlだと思われる を400円で提供しているみたいです。 しかし、一級酒よりは安いが、まだ安さが足りないように思えました。 当時、甘藷を原料とした工業用アルコール メタノールを後から加えている から「バクダン」を造っていましたが、メタノールを入れる工程を省いたものはもう存在しないのだろうか。 それに近いもので「ばくだん」と名のつくお酒はないのだろうか……。 探したらありました。 その名も「爆弾ハナタレ」。 しかも、本格焼酎の最高45度。 しかし、お店で注文すると値段がグラス1,000円。 これは、チエちゃんの安いと言われている「ばくだん」とは明らかに違いますよね。 ではカストリ焼酎はどうか。 ネット販売で720ml アルコール度数25度 が720円でした。 チエちゃんの店で出すとしたら、コップ一杯400円くらいになるでしょうか。 説明書きには「戦中戦後物資の無い当時、粗悪品はメチルアルコールが出たりして失明者が出たり、時には死者も出たりしたそうです。 」とありましたが、多分その解釈は間違っています。 それは「バクダン」のことであり「カストリ焼酎」とは違うものですから。 何が正しいのかはっきりとした答えは出ませんでした。 自分なりに考えて、もっとも可能性が高いと思われるのは、戦後の闇市の象徴であった「カストリ焼酎」と「ホルモン」を売っているお店を描きたかったが、「バクダン」を「カストリ焼酎」の仲間だと勘違いしてメニューに取り入れてしまったことが原因ではないかと思われます。 ですから、私の結論としてチエちゃんの売っている「ばくだん」は、昔の「バクダン」を想定して描かれたものだが、チエちゃんの時代 1978年? にはとっくに存在していなかったものであると考察しました。 もしかしたら、敢えて既に存在しないお酒を選んだのかもしれません。 現在「ばくだん」を作るとしたら 絶対つくらないでね 「ばくだん」に使われていると思われるアルコールは、メタ変性エタノール エタノール約90%、メタノール約10% だと思われます。 値段は500mlで800円くらいです。 エタノールは500mlで1,550円くらい 酒税が上乗せされてしまう であり、メタノールは500mlで600円くらいですから、メタ変性アルコールはかなりお得だと考えられます。 燃料用アルコールは、メタノールが30%~40%含まれており「ばくだん」に使われたアルコールとは考えにくいです。 このメタ変性アルコールからメタノールを取り除き、水で薄めて1リットルにすると、800円くらいで、1リットルの「ばくだん」 アルコール度数45度 が出来ます。 これをチエちゃんの店で売るとすると、コップ一杯320円くらいになる予想です。 なお、「ばくだん」は何も味がしないと考えられるので砂糖なんかで多少味付けしていると考えられます。 メタノールは30mlくらい飲むと死んでしまうので、同様の方法で実験することは絶対にしないで下さい。 「メタノール」の毒性の根源 メタノールは酸化されるとホルムアルデヒドになり、さらに酸化されるとそれ以上体内では分解されない蟻酸 ギサンと読む。 「アリさん」とは読みません。 ミツバチの毒と同じです になります。 この蟻酸が危険なのです。 ついでに説明すると、通常のお酒にはメタノールではなくエタノールが入っています。 エタノールは酸化されるとアセトアルデヒドに変化し、さらに酸化されると酢酸になります。 よってエタノールは、体内に取り入れても問題ありません。 長期間保存しておいたお酒の臭いがすっぱくなっていたら、多分酸化反応が自然に起こってしまったものと考えられます ウチの研究室にあるお酒はすっぱい臭いのものがたくさんあります。 しかし、エタノールは血液中に大量に蓄積すると頭痛、嘔吐などの症状が出るので注意が必要です。 お酒の成分であるエタノールは、通常ジャガイモやサツマイモのデンプンを発酵させるとできます。 安いお酒によく使われる、「醸造用アルコール」 自分の予想:エタノール99. 5% は、サトウキビから砂糖を造る課程でできる廃液、廃糖蜜からつくられるもので、原料が原料なだけに徹底蒸留・精製して製造されています。 なお、普通の人が「醸造用アルコール」を入手することは出来ません。 市販のエタノールは、石油からえられるエチレンからの合成法により作られています。 市販のエタノール 微量成分に何が入っているか分からない を使って 個人レベルでお酒を作ろうとすることは、大変危険なので絶対にしないで下さい。 当たり前のことですが、 エタノール 99. 5% を飲むことは、世界中のどのお酒よりも強いお酒を飲むことと同じなので、非常に危険です。 以前大学の実験室でエタノール 工業用の99. 5% を飲んでみた学生がいたのですが、泡をふいて倒れて病院送りとなりました。 くれぐれも興味本位で試さないようにお願いします。 参考までに、メタノールの工業的製法では、主に天然ガス 石油に代わる次世代のエネルギー資源と言われている から得られる合成ガスが原料に用いられます。 「醸造用アルコール」とは 「醸造用アルコール」は一般に手に入らないものだけあって、謎が多いです。 多分その価格を知っている人は、ほとんどいないものと思われます。 自分の研究室のカタログにも、「発酵」でつくられたエタノールの商品はありましたが、値段は書いてありませんでした。 多分、酒税は普通にかかると思うので、普通のエタノール 99. 5% の値段 3リットルで8,000円 とほぼ同じだと予想しています。 酒屋やディスカウントショップでは、1. 8リットルが550円~1,800円くらいで、紙パックや一升瓶などで売られ、飲食店では二合400円から600円ぐらいで売られている日本酒があります。 これは、価格を下げるために一つの原酒を水で薄め、アルコール度数が下ったのを補うのに醸造用アルコールを添加して増量し 一升瓶当たり約60%以下 、甘味も酸味もなくなるので糖類と酸味料を添加するという、全くの合成酒であります。 この方法を使うと、1. 8リットル2,000円の日本酒 アルコール度数15度 は、1,200円くらいになる予想です。 「醸造用アルコール」には悪いイメージしかないかもしれませんが、もろみに醸造用アルコールを適量添加すると、香りが高く「スッキリした味」となります。 さらに、醸造用アルコールの添加には、清酒の香味を劣化させる乳酸菌 火落菌 の増殖を防止するという効果もあります。 吟醸酒や本醸造酒にも、醸造用アルコールが使用されるのはこのためです。 この場合、白米の重量の10%以下という決まりがあります。 なお、醸造用アルコールを使用していない日本酒には「純米」という言葉がついています。 純米大吟醸酒、特別純米酒など。 清酒とは? 1989年に特級が廃止され、1992年の4月からそれまであった酒の等級ランク付けはなくなりました。 酒は本来、出来上がってきた時には全て二級酒であって、蔵元がたとえば「この酒を一級酒として売ります」と申請し、国税庁の審査にパスした後、それが初めて一級酒として認められてきました。 それではなぜ、級別制度が採用されるようになったのでしょうか。 一般的には戦時体制下における酒税増徴が目的であったとされています。 級別表示がされていれば二級より一級、一級より特級の方が良い酒だと思ってしまうのは仕方ありません。 良い酒を求める消費者は必然的に等級の高い酒を求めます。 そして等級の高い酒は酒税も高い………。 結果的に高い酒税が収められるようになるという仕組みです。 例えばアルコール度数15~16度のもので比較すると、特級酒の酒税は1. 8リットル当たり1,027円、一級酒であれば503円、二級酒であれば194円という計算になります。 特級酒と二級酒では、実に833円もの差がつきました。 さらに特級酒には税金のおまけのような従価税というものまで課せられ「税金を飲む」といってもいい過ぎでない状態が現実でした。 そんな級別制度に異を唱えた一部の酒造メーカーは、特級で出しても恥ずかしくない品質のものを、あえて二級として安く販売するという販売方法を用いたりしたようです。 その結果、大手メーカーの特級酒より、地方メーカーの二級酒のほうがおいしいという現象も時としてあったようです。 お酒の好きな方へ.

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高畑勲とアニメ版じゃりン子チエ、慈愛のまなざし

じゃり ン 子 チエ その後

戦後の酒不足の時代、日本の各地で甘藷 かんしょ=サツマイモ や雑穀を使った密造焼酎がつくられ、これがヤミ市の飲み屋で売られ「カストリ」の名で庶民に愛されました。 カストリと言う名は戦後の混乱期の大衆のたくましい生き様を表現する格好の言葉となって流行しました。 問題は「バクダン」です。 石油資源に乏しい我が国では、国策として甘藷づくりが推進され、この甘藷を原料として、各地の拠点の国営アルコール工場でアルコールがつくられました。 飲むためのものではなく、石油に変わる燃料とするためでした。 このアルコールはほぼ100%のエタノールであると考えられ、水で薄めるとお酒として飲めるので、酒税がもの凄く高くついてしまいます。 そこで、メチルアルコール 慣用名:メタノール、強い毒性を持つ を加えて飲めないようにし、高い税金を取られないようにしました。 更に合成着色料でピンクに染められました。 このピンク色は「飲むと死ぬ、目がつぶれる」と言う赤信号でした。 この燃料にしか使えない工業用アルコールが、戦後の混乱期に横流しされて「バクダン」になったのです。 「バクダン」は甘藷が原料ですが、「カストリ焼酎」とは別次元のものです。 お酒というよりは、むしろエタノールです。 着色料のピンク色は木炭の粉を入れると吸着され無色になりますが、メチルアルコールの方はそうはいきません。 脱色された工業用アルコールを加熱しますと、メチルアルコールの方はエチルアルコール 慣用名:エタノール より、少し揮発性 メタノールの沸点64. この沸点の差を利用した方法で、メチルアルコールのほとんどは取り除かれました。 この方法を全くやってないもの、やり方がうまく行かなかったものが粗悪な密造酒であり、この密造酒が人を殺したり、眼を潰したりしたものと考えられます。 「ばくだん」の正体 物資の供給が途絶えた闇市時代に飲まざるを得なかったのが「カストリ焼酎」、食べ物では「ホルモン」であったらしいです。 それらは、それまで貧しい人が飲み喰らう物と思われていた品々だということです。 では、「バクダン」は何処にいってしまったのだろうか。 「バクダン」は、製造の許可なんておりたのだろうか。 そんなものを扱っていたら、営業停止になるなのではないのだろうか。 それに、 時代背景において、最初にチエちゃんが登場したのは、1978年 僕が一歳の頃 なので、その頃が果たして戦後間もない混乱の時代であったと言えるのでしょうか。 まず、値段を比較するために、81年版のアニメの第8話に出てきた「浪花盛」という一級酒を考察します。 このお酒は、ネット販売で720mlの商品が1,475円 同じ銘柄でもいろんな種類のお酒があります でした。 チエちゃんの店ではいつもコップになみなみとお酒をついでいるので、コップ一杯当たり、約200mlのお酒が消費されているものと思われます。 お酒の値段は原価の約2倍 勝手な予想 と考えられるので、単純計算でコップ一杯800円くらいだと考えられます。 高粱酒 コウリャン酒 のことを通称「ばくだん」というそうです。 ネット販売では、日本人向けに造ったもの アルコール度数44度 が、1. 8リットルで2,725円でした。 コップ一杯当たりの値段を同様に計算すると、600円くらいになります。 高粱酒は中国酒の中で一番強いお酒らしいです。 普通のお店では、グラス一杯 約100mlだと思われる を400円で提供しているみたいです。 しかし、一級酒よりは安いが、まだ安さが足りないように思えました。 当時、甘藷を原料とした工業用アルコール メタノールを後から加えている から「バクダン」を造っていましたが、メタノールを入れる工程を省いたものはもう存在しないのだろうか。 それに近いもので「ばくだん」と名のつくお酒はないのだろうか……。 探したらありました。 その名も「爆弾ハナタレ」。 しかも、本格焼酎の最高45度。 しかし、お店で注文すると値段がグラス1,000円。 これは、チエちゃんの安いと言われている「ばくだん」とは明らかに違いますよね。 ではカストリ焼酎はどうか。 ネット販売で720ml アルコール度数25度 が720円でした。 チエちゃんの店で出すとしたら、コップ一杯400円くらいになるでしょうか。 説明書きには「戦中戦後物資の無い当時、粗悪品はメチルアルコールが出たりして失明者が出たり、時には死者も出たりしたそうです。 」とありましたが、多分その解釈は間違っています。 それは「バクダン」のことであり「カストリ焼酎」とは違うものですから。 何が正しいのかはっきりとした答えは出ませんでした。 自分なりに考えて、もっとも可能性が高いと思われるのは、戦後の闇市の象徴であった「カストリ焼酎」と「ホルモン」を売っているお店を描きたかったが、「バクダン」を「カストリ焼酎」の仲間だと勘違いしてメニューに取り入れてしまったことが原因ではないかと思われます。 ですから、私の結論としてチエちゃんの売っている「ばくだん」は、昔の「バクダン」を想定して描かれたものだが、チエちゃんの時代 1978年? にはとっくに存在していなかったものであると考察しました。 もしかしたら、敢えて既に存在しないお酒を選んだのかもしれません。 現在「ばくだん」を作るとしたら 絶対つくらないでね 「ばくだん」に使われていると思われるアルコールは、メタ変性エタノール エタノール約90%、メタノール約10% だと思われます。 値段は500mlで800円くらいです。 エタノールは500mlで1,550円くらい 酒税が上乗せされてしまう であり、メタノールは500mlで600円くらいですから、メタ変性アルコールはかなりお得だと考えられます。 燃料用アルコールは、メタノールが30%~40%含まれており「ばくだん」に使われたアルコールとは考えにくいです。 このメタ変性アルコールからメタノールを取り除き、水で薄めて1リットルにすると、800円くらいで、1リットルの「ばくだん」 アルコール度数45度 が出来ます。 これをチエちゃんの店で売るとすると、コップ一杯320円くらいになる予想です。 なお、「ばくだん」は何も味がしないと考えられるので砂糖なんかで多少味付けしていると考えられます。 メタノールは30mlくらい飲むと死んでしまうので、同様の方法で実験することは絶対にしないで下さい。 「メタノール」の毒性の根源 メタノールは酸化されるとホルムアルデヒドになり、さらに酸化されるとそれ以上体内では分解されない蟻酸 ギサンと読む。 「アリさん」とは読みません。 ミツバチの毒と同じです になります。 この蟻酸が危険なのです。 ついでに説明すると、通常のお酒にはメタノールではなくエタノールが入っています。 エタノールは酸化されるとアセトアルデヒドに変化し、さらに酸化されると酢酸になります。 よってエタノールは、体内に取り入れても問題ありません。 長期間保存しておいたお酒の臭いがすっぱくなっていたら、多分酸化反応が自然に起こってしまったものと考えられます ウチの研究室にあるお酒はすっぱい臭いのものがたくさんあります。 しかし、エタノールは血液中に大量に蓄積すると頭痛、嘔吐などの症状が出るので注意が必要です。 お酒の成分であるエタノールは、通常ジャガイモやサツマイモのデンプンを発酵させるとできます。 安いお酒によく使われる、「醸造用アルコール」 自分の予想:エタノール99. 5% は、サトウキビから砂糖を造る課程でできる廃液、廃糖蜜からつくられるもので、原料が原料なだけに徹底蒸留・精製して製造されています。 なお、普通の人が「醸造用アルコール」を入手することは出来ません。 市販のエタノールは、石油からえられるエチレンからの合成法により作られています。 市販のエタノール 微量成分に何が入っているか分からない を使って 個人レベルでお酒を作ろうとすることは、大変危険なので絶対にしないで下さい。 当たり前のことですが、 エタノール 99. 5% を飲むことは、世界中のどのお酒よりも強いお酒を飲むことと同じなので、非常に危険です。 以前大学の実験室でエタノール 工業用の99. 5% を飲んでみた学生がいたのですが、泡をふいて倒れて病院送りとなりました。 くれぐれも興味本位で試さないようにお願いします。 参考までに、メタノールの工業的製法では、主に天然ガス 石油に代わる次世代のエネルギー資源と言われている から得られる合成ガスが原料に用いられます。 「醸造用アルコール」とは 「醸造用アルコール」は一般に手に入らないものだけあって、謎が多いです。 多分その価格を知っている人は、ほとんどいないものと思われます。 自分の研究室のカタログにも、「発酵」でつくられたエタノールの商品はありましたが、値段は書いてありませんでした。 多分、酒税は普通にかかると思うので、普通のエタノール 99. 5% の値段 3リットルで8,000円 とほぼ同じだと予想しています。 酒屋やディスカウントショップでは、1. 8リットルが550円~1,800円くらいで、紙パックや一升瓶などで売られ、飲食店では二合400円から600円ぐらいで売られている日本酒があります。 これは、価格を下げるために一つの原酒を水で薄め、アルコール度数が下ったのを補うのに醸造用アルコールを添加して増量し 一升瓶当たり約60%以下 、甘味も酸味もなくなるので糖類と酸味料を添加するという、全くの合成酒であります。 この方法を使うと、1. 8リットル2,000円の日本酒 アルコール度数15度 は、1,200円くらいになる予想です。 「醸造用アルコール」には悪いイメージしかないかもしれませんが、もろみに醸造用アルコールを適量添加すると、香りが高く「スッキリした味」となります。 さらに、醸造用アルコールの添加には、清酒の香味を劣化させる乳酸菌 火落菌 の増殖を防止するという効果もあります。 吟醸酒や本醸造酒にも、醸造用アルコールが使用されるのはこのためです。 この場合、白米の重量の10%以下という決まりがあります。 なお、醸造用アルコールを使用していない日本酒には「純米」という言葉がついています。 純米大吟醸酒、特別純米酒など。 清酒とは? 1989年に特級が廃止され、1992年の4月からそれまであった酒の等級ランク付けはなくなりました。 酒は本来、出来上がってきた時には全て二級酒であって、蔵元がたとえば「この酒を一級酒として売ります」と申請し、国税庁の審査にパスした後、それが初めて一級酒として認められてきました。 それではなぜ、級別制度が採用されるようになったのでしょうか。 一般的には戦時体制下における酒税増徴が目的であったとされています。 級別表示がされていれば二級より一級、一級より特級の方が良い酒だと思ってしまうのは仕方ありません。 良い酒を求める消費者は必然的に等級の高い酒を求めます。 そして等級の高い酒は酒税も高い………。 結果的に高い酒税が収められるようになるという仕組みです。 例えばアルコール度数15~16度のもので比較すると、特級酒の酒税は1. 8リットル当たり1,027円、一級酒であれば503円、二級酒であれば194円という計算になります。 特級酒と二級酒では、実に833円もの差がつきました。 さらに特級酒には税金のおまけのような従価税というものまで課せられ「税金を飲む」といってもいい過ぎでない状態が現実でした。 そんな級別制度に異を唱えた一部の酒造メーカーは、特級で出しても恥ずかしくない品質のものを、あえて二級として安く販売するという販売方法を用いたりしたようです。 その結果、大手メーカーの特級酒より、地方メーカーの二級酒のほうがおいしいという現象も時としてあったようです。 お酒の好きな方へ.

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