あっせん 利得 処罰 法。 【刑事弁護】あっせん収賄とあっせん利得処罰法との違い

あっせん利得処罰法をザル法にしないために(園田寿)

あっせん 利得 処罰 法

選挙によって国民や住民の負託を受けた議員の政治活動というもの、あるべき政治活動ということをどのように認識しておられるのか、お尋ねをいたします。 あのときは必ずしも意見が合わなくて法案は日の目を見ませんでしたけれども、今あっせん利得罪で、成立を目前にいたしましてこうして再び大脇先生と議論できる、大変感慨深いものがございます。 どうぞ我々の案に御賛同くださいますようにまずお願い申し上げます。 今、口きき行為が政治活動の中でどういう位置づけになるか、私は口ききというとどうも主観的な響きがありまして、我々はこれは働きかけという言葉を使いたいと思います。 政治公務員が行政に働きかけをする場合、いろんなケースがあると思いますけれども、国民全体のために政策目的を実現する。 それから、特定のグループ、例えば高齢者のため、中小企業のため、こういうために頑張る。 それから、不当な行政行為を受けた者にかわって、代理して、それらの皆さんにかわって行政庁にクレーム、抗議を申し込む。 あるいは、特定の人の利益のために、ここが問題なんです、特定の人の利益のために働く。 我々が問題視しておりますのはまさに特定の者の利益のためにということでございます。 この点は、衆議院で否決はされましたけれども、野党案と全く同じ思いでございます。 ただ、ここはもう質問されておりませんけれども、問題は特定の者といった場合非常に定義があいまいになってくる。 そこで、口きき行為、悪い口きき行為、よい口きき行為とこう二つに分けるとしましたら、悪い口きき行為は特定の者のためである。 しかし、それでは構成要件があいまいであるから契約と処分に限った、こういう考えでございます。 それで、私はお尋ねしたいんですが、ようやくにしてこのあっせん行為による利得の処罰に関する法律案ということが日の目を見ようとしているということかもしれませんが、自社さの時代の議論の延長線上の問題点というものがたくさんあるということを私は考えるんです。 あのときは、あっせん利得の処罰に関する法律をつくると同時に、我々はみずから政治を浄化するための政治倫理の確立、自浄作用といいますか、院の自治作用といいますか、そういうことを二本柱として検討をしてきたわけです。 今回は、あっせん行為による利得の処罰法案というものの議員提案でございますけれども、もう一つの政治倫理に関する我々の自浄作用、自治作用というものについて提案者の方々はどのようにお考えか、そして今回提案の法律案の枠組みでこれまでの政治活動の質をさらに高めることができるというふうにお考えかどうかということについてお尋ねをしたいと思います。 基本的には、個人個人の政治家がそういう認識を持って政治活動をするべきでございますし、また議院の中で、議会の中で行為規範をつくること、あるいは政治倫理確立のために情報公開とも言える資産の公開をやる、これはやっておりますけれども、そういう内部の規範も大事でございます。 それと相まってやっぱり法律にしていく、今回のことでございますけれども、それによって倫理性、清潔性、これは必ず高まっていくものと思います。 政治の流れというのは、しかしながらそれだけではなくて、やっぱり行政の裁量の余地を小さくしていく、透明性を増していく、こういう行為と相まって今回の法律は私は歴史の流れの中で日本の政治をよくしていくものだと評価しております。 「全国民の代表として、全体の利益の実現をめざして行動することを本旨とし、特定の利益の実現を求めて公共の利益をそこなうことがないよう努めなければならない。 」と書いてあります。 そして、一九八五年の十月十四日に議決され、その後改定されました行為規範、参議院政治倫理審査会規程というものがございます。 その当時、私どもは政治倫理法というものを制定すべきだという主張をいたしまして、議会の中に政治倫理委員会というものを常設いたしまして、そこで一定の人数、例えば衆議院が十人であれば参議院が五人でその委員会が開催できるようにして、疑惑を持たれた議員のいわば審査、それからみずから疑惑を持たれた者がまた主体的にそこで弁明することによってさまざまな政治倫理の問題を議論すべきであるという法案を出しました。 各議院は政治倫理の遵守の勧告とか、公開議場における陳謝の勧告とか、登院の自粛とか、さまざまな委員会などの委員長の辞任とか、あるいは議員の辞職の勧告に至るまでやはり自律的にそうした作用を院に持たせるべきだというふうに主張いたしましたが、この点については発議者の方たちはどのようにお考えでしょうか。 この保護法益を実効性あるものとするために、実効性を担保するために厳しいペナルティーを科しているわけでございます。 先生の御指摘の点は、この法案以前の、以前というか並んでというか問題でございます。 政治倫理の確立というのは議員個人個人の自覚が必要でございます。 また、実際の行為を議院、ハウスの中でいろいろ考えていく、これも大事でございます。 これまでに、政治倫理綱領の実効性を高める観点から、行為規範、政治倫理審査会規程の改正強化、そして職務の公正さを明らかにすることを目的とした政治倫理確立のための国会議員の資産等公開法、こういうものをなし遂げております。 先生御指摘の問題点でございますけれども、やっぱりまず第一に問題の所在点を明確にする、どういう方向で議論していくか、その点を決めて、そして議論していくべき問題だと思っております。 それでは、法案の中身についてお尋ねをいたします。 先ほど来、私設秘書を除外するということについてのさまざまな議論がありました。 その中の議論を聞いておりまして私が一番納得できがたいということは、法案の目的というのは、趣旨説明によりますと、公職にある者の政治活動の廉潔性や清廉潔白性というものを保持して、もって国民の信頼にこたえる、公務員の職務自体の性質に着目した収賄罪とは違うんだということを強調しておられます。 にもかかわらず、私設秘書をそれに入れないときに、この法案は公務員という身分犯というものにあるので、したがって私設秘書というものは入らないというふうに説明しておられるんです。 少しずれがあるのではありませんか。 先生御指摘のとおり、第一は身分犯として構成している、こういうことであります。 構成要件を明確にしておかないと、この法律は、一たん処罰を受けまして刑に服した後、いわば被選挙権を含む公民権停止、これは十年ということになります。 したがいまして、大変これは、今のは政治公務員本人でございますけれども、そういう厳しい法律であります。 そういう厳しい法律の中で私設秘書をどう考えていくか。 私設秘書の問題につきましては、第一に、たびたび御説明しておりますが、身分犯、第二にあっせん収賄罪とのバランスの問題、第三に政治公務員と意を通じている場合には正犯として罰せられる、こういうことでございます。 逆に、私設秘書自体を犯罪の主体にした場合には、あるいは政治公務員と意を通じていた場合でも、私設秘書だけ罰してしまう、つまりトカゲのしっぽ切りになってしまう可能性が大きいのではないかと、こういう反論もあるわけでございます。 一番大きな問題点、大変ここは悩ましいこと、事実であることはそのとおりであります。 公設とそれから私設と仕事がどう違うんだと、こういうふうなこともございます。 しかし、身分犯として決めたこと、それから私設秘書といってもいろんな態様がある、政治公務員との間の関係もいろいろある、そういうものを一律にしてしまうのはどうだろうか。 名刺一枚で秘書活動をしている、こういう方々も、全く政治家本人が、政治公務員が知らない状態でやっている可能性もあるじゃないか。 いろんな問題がございますので、この点は身分犯として、公務員という法律、国会法百三十二条に基づいた地位にある者を対象として決めておる次第でございます。 私が言いたいのは、この法案というのは公職にある者の政治活動の廉潔性ということを保護法益とするということであれば、その議員と一体性を持つ、いわば仕事の実態で公設秘書も変わりがないという実態があるわけですから、公設秘書も外すというならまあそれは一つの論理の一貫性ですけれども、その実態性というところで、公設秘書だけ入れて、そして身分犯だという立法政策の目的だけを言って、それは私は法律のいわば骨抜きというか抜け穴をつくっているに等しい論理だと思わざるを得ないわけです。 先ほど公設秘書は議員に準ずる形で、私設秘書は非常に軽くという、期待可能性ということをおっしゃったわけですけれども、私は実態上は私設秘書こそ地元で最も有権者と密接な関係を持って議員の指揮命令のもとで一体となって活動しているという実態があると思うわけですが、それはおかしいのではないかと、身分犯と言われることには納得ができないというふうに思いますが、いかがでしょうか。 私設秘書が何かの犯罪を犯した場合、何かの犯罪というよりもあっせん利得罪を犯した場合という問題でございますけれども、あっせん利得罪というのは本来、不当なこと、不正なことをさせない、正当なことをさせる、こういうことを含んでいるわけでございます。 それから、私設秘書が自分の独自の判断で何かやった場合には他の法律で罰せられるわけでございます。 繰り返しになって恐縮ですが、政治公務員と意を通じてやった場合には共同正犯として罰せられるわけでございます。 そういう意味で、何らの不都合もありませんというふうに御認識いただきたいと思います。 さらに、連座制などで私設秘書がどういうかかわりがあったときに議員が当選無効になるのかというような判例が幾多重なっておりまして、その判例を見てみますと、秘書という名称を承諾し同意した場合、そしてまた指揮命令のもとに政治活動を助けている場合、一定の裁量と責任を持っているようなスタッフ、これらは私設秘書として連座制の態様になるわけです。 給与がもちろん議員から出ているわけですから、私設秘書というのは勝手に名刺を持ってうろうろしている者まで含むではないかということはこれまでの裁判例から見たらまことにおかしいわけで、もう既に判例上私設秘書というものは議員とどの程度のどういう要件があったときに一体性があるのかということは確立しているわけですから、やはり私設秘書というものは、さまざまな法令、判例やその他の法体系の中においても、この法の立法趣旨からすればどうしても含んでいただいて修正をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 公職選挙法の連座制の問題というのは保護法益が違う、私はそういうふうに思います。 連座制の場合は、汚れた選挙で当選してきた、その当選を無効にする、その背景にある者を罰すると、こういう思想でございます。 今回のあっせん利得罪におきましては、正しいことをやらせる行為、不当なことをやらせない行為、こういうことを含んでおるわけでございます。 しかしながら、特定の者のために利益を与えるようなあっせんはやめていこうじゃないか、こういう一定の政治公務員の活動のルール、そしてそれによって政治公務員の廉潔性を守っていこう、こういう保護法益の基本を考えますと、やっぱり連座制とは全く違う保護法益だなと。 その場合に、やはり犯罪主体というのは公務員である。 それは政治公務員であり、それから政治活動を補佐する公設秘書、こういうふうに限らせていただくのは、私はあながち理屈がないわけではない。 実態的な問題は繰り返しになりますからもうやめます。 〔理事鴻池祥肇君退席、委員長着席〕 さて、財産上の利益に限定する意義、これも自社さ政権のときに、わいろとするのか財産上の利益とするのか、財産上の利益にどこまで含むのかという激しい議論をいたしたことを思い出しますけれども、やはりこの法の趣旨で、情交関係とか供応とか票の取りまとめ、就職あっせん、投資情報の提供、後援会活動、選挙活動、これらを除いてしまうということはとても問題が多いのではないかというふうに思います。 先ほど就職のあっせんをしてお金を取ったら何か罰するというようなことをおっしゃったと思うんですが、今私が挙げたこういった問題、これはやっぱり財産上の利益にならないとお考えでしょうね。 この法律は、刑法の類型として考えるのではなくて、私どもは特別の形態であると、このように考えておるわけでございます。 いわば自然犯でもそれから行政犯でもない特別の法律だ、世界に類を見ない法律である、このように考えておるわけでございます。 したがいまして、もし不正ということから発生したお金、財産等であればわいろという言葉を使うのでございましょうけれども、私どもはそういう発想法でございますから、財産上の利益、極めて中立的な物の言い方をしているわけでございます。 そこで、問題は、財産上の利益といった場合には金銭に換価できるものと、こういうふうに理解しているわけでございますが、わいろといいますと、すべて人間の欲望、需要を満たすものがわいろという定義のようでございます。 そういたしますと、先生が今御指摘なさいましたような情報とかそれから地位とかあるいは男女間の情交とかが入ってくるわけでございますけれども、さらに例えば名誉市民にしましょうというような話もこのわいろに当たると、こういう解釈になってくるわけでございます。 先ほど就職のあっせんということで御指摘がございましたが、就職のあっせん、これは公務員になるという意味でございまして、一般の会社の採用を頼んだ、これはこの法律の対象外でございますが、その場合には対象になる場合が大きいと、こういうふうに御回答いたしております。 いずれにしましても、この法律は、何度も申し上げて恐縮なんですけれども、正当なことをさせる、不正なことをさせない、このところまで含んでおりますので、不正という概念からちょっと離れております。 もちろん、不正ということも概念上は入ってきます。 しかし、恐らく不正ということでやった場合には、刑法のあっせん収賄罪が先に適用される。 両方の法律が適用されますけれども、不正であれば刑法のあっせん収賄罪が適用されるということに一般論としてはなろうかと思いますが、すべてこれは具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題である、このように理解しております。 またさらに、何回も言われるんですが、この職務権限についての議論の中でいま一つ納得がいかない点について私は重ねてお尋ねをいたしますが、法令に基づいて有する権利、それは国会議員等の地位と違うんですか、一緒なんですか。 直接間接影響をする、随伴するもの、多々いろいろ解釈は言われているんですが、やはりこの権限というものについては、職務権限の職務というものの有無がまとわりついているとすれば、非常にこの要件が厳格に過ぎていくというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。 権限といった場合に、これは職務というよりも国会議員としての権限でございますから、例えば発議権とか国政調査権を背景にした質問権とか、こういうことを言っているわけでございます。 それから、影響力といった場合には、被あっせん公務員の判断すべてを拘束する必要はございませんけれども、やはりそれによって影響を受ける、こういうことでございます。 それから、間接直接という言い方をよくしておりますが、直接というのは、これも先ほども例で出ておりますが、例えばこのことを、言うことを聞かなければ委員会で質問しますよとか、こういうことでございます。 それから、間接というのは、一つの例でございますけれども、わかっているだろうなとか、こういう言い方もあろうかと思います。 失礼しました。 そこは暗示的の方です。 そこは取り消します。 間接のところを今完全に取り消します。 間接というのは、その本人が持っている、例えば、実際にじゃ仲間に声をかけて反対者をふやすよとか、そういう例が当たろうかと思います。 それから、明示的、黙示的という言い方のところで私、説明を先ほど間違えましたけれども、明示的はおわかりのとおりでございますが、黙示的というのは、例えば、わかっているだろうなというようなことでございますけれども、これはすべてわかりやすく説明するために申し上げていることでございますので、実際はあっせんをする政治公務員の立場、あるいはそのときの言動、あるいはあっせんされる公務員、被あっせん公務員の職務の内容、その他諸条件をいろいろ踏まえて具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題になろうかと思います。 ちょっと手元にそれを書いたものがございませんけれども、先ほど申し上げましたように、議員の議院における議案発議権、修正動議提出権、表決権、それから先ほど申し上げました国政調査権を背景とした質問権等でございます。 それが国会議員固有の権限でございますから、基本的にはそういう権限を言っておるわけでございまして、もし地位を利用してというような書き方をいたしますと、例えばあっせんする側、あっせんする政治公務員と被あっせん公務員との間に友達関係があるとか親戚関係とか、あるいはよく飲んでいる友達だとか、そういうことがどうなるのかという疑義が出てまいります。 そういう意味で、この法律につきましては構成要件をきちっとしている、こういうことでございます。 議員としての職務権限に基づく影響力でございます。 もちろんそれは、国会議員、地方議員、首長によって異なります。 ですから、大臣であるからとか、大臣であればその省内、山の中では大変な権限を持っていると思いますが、これはあっせんすることを問題にしている法律でございますから、あっせんというサイドから見ますと議員としての問題でございます。 これもまた前に先生と大変いろんな議論をしたんですが、私の持ち時間がもう終わりましたので、次の質問の機会に移させていただきます。 ありがとうございました。

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国会議員等のあっせん利得行為等の処罰に関する法律案

あっせん 利得 処罰 法

それが発覚しても、正当な政治活動との境目がどうもはっきりしない部分もあり、また、倫理的な問題があっても、法的な要件の立証が難しい場合もあり、贈収賄の処罰はなかなか難しい面があります。 以下では、今問題になっている政治家のあっせん利得行為について、どのような点が問題となるのか、そして、あっせん利得処罰法を実効性のあるものにするためには、どのような方策を講じる必要があるのかということについて考えてみたいと思います。 法定刑は、政治家の場合は3年以下の懲役で、国会議員秘書の場合は2年以下の懲役です。 要するに、政治家が金品を受け取って、その権力を笠に着た口利き行為を行うことを処罰し、国民に対してクリーンな政治活動そのものを保障しようとするものです。 したがって、刑法上のあっせん収賄罪(刑法197条の4)では、具体的な依頼を受けた公務員が、他の公務員に職務上の不正な行為をさせたり、正当な行為をさせないようにあっせんをすること(不正な公務の処罰)が要件ですが、あっせん利得罪では、あっせんの内容が公務員に適正な職務行為をさせたり、不当なことをさせないものであっても処罰の対象となるという点で大きな違いがあり、処罰の範囲も広いものとなっています。 あっせん利得罪の要件• 政治家(公職にある者)または国会議員秘書が、• 官庁が締結する契約または特定の者に対する行政庁の処分に関して• 具体的な依頼(請託)を受けて、• 政治家の権限に基づく影響力を行使して、• 公務員にその職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんをすること、またはしたことについて、• その報酬として財産上の利益を収受すること 典型的な例としては、たとえば、公職にある者が、業者から入札に参加できるよう口利きの具体的な依頼を受けて金品を受領し、あっせんを受ける公務員に対して、言うことを聞かないと、反対票を投じるとか、他の議員に対して質問や投票を働きかけるなど、その権限に基づく影響力を行使して、その業者を入札に参加させるようにあっせんをした場合などです。 ・あっせん利得罪の立証の難しさ あっせん利得罪が成立するためには、上のように、そのあっせんが「(政治家の)権限に基づく影響力を行使して」行われるものであるということが必要です。 これは、あっせん行為の方法をこのように限定しないと、公職にある者が行政府の公務員に対して行うあっせん行為のほとんどが処罰されることになりかねず、正当な政治活動を萎縮させるおそれがあるというのがその理由です。 したがって、「その権限に基づく影響力を行使して」という要件は、広く行われている政治家のあっせん活動の中から、あっせんを受ける公務員に対して、権力をちらつかせてあっせんするという意味であり、あっせんを受けた公務員の判断に影響を与えるような態様のものでなければなりません。 実際にはいろいろなケースがあると思いますが、〈 あっせんを行う公職にある者の立場〉〈 あっせんの際の言動〉〈 あっせんを受ける公務員の職務内容や立場〉〈 あっせんをした際の公職にある者やあっせんを受けた公務員を取り巻く状況〉などを総合的に評価して、犯罪の成否が判断されることになります。 とはいうものの、あっせん行為じたいは昔から政治活動の一つだと考えられてきたものですし、あっせんに際して具体的な言葉には出さずに、無言の威圧感を与えるような場合もあるでしょう。 実際には、「権限に基づく影響力を行使した」という認定はかなり厳しいことが予想されます。 また、国会議員がみずからあっせん行為を行うより、実際にはその秘書が行うのが普通ではないかと想像できますが、その場合、秘書と議員との間にあっせんについての共謀の存在が立証されなければ、議員の刑事責任を問うことには難しいものがあります。 本罪が国会議員に対してはまだ一度も適用されたことがないという事実も、本罪の立件の難しさを物語るものかもしれません。 この人たちの生活環境をなんとか改善してやりたいと思って行政に掛け合い、道路が整備されることになる。 このように、議員が住民などから日常生活の困ったことを相談され、行政に対し直接掛けあって働きかけを行うことが、重要な議員活動の一つであるとされてきました。 国民の一人ひとりの悩みの解決が国全体の利益につながることはよくあることで、たとえば社会保障などに関しては制度に関する知識不足や理解不足から、自分の権利を知らずに困窮している人が多いのも事実だと思います。 そのような人の悩み、困難を一つずつ汲み上げ、行政に掛け合うのも政治家の重要な活動だと思います。 しかし、このような議員活動は、そこに口利きと言われる不正・不当なものになる危険性もはらんでいます。 そこで、行政に議員から日常的に上がってくるさまざまな 要望を記録し、要求に応じて公開する制度を設けているたくさんの自治体があります。 政治家と公務員の接触を細かく記録し、公表することによって、不正な口利きを抑制しようとする制度です。 これは、2002年あたりから自治体レベルで制定されはじめた制度で、現在ではかなりの自治体で機能しています。 制度の内容は、おおむね一般市民、団体、議員から面談または電話によって行政に寄せられた職員の職務に関する要望等を文書に記録し、要望等に対する対応の方針を回答し、情報公開請求があれば内容を公開するといったものです。 政治家と公務員の接触を一切禁じることは不可能ですが、そこで生じる不正行為の抑止に少しでも役立つと考えられる仕組みは導入すべきです。 政治家と公務員の接触に関して、それをきちんと記録に残すという仕組みは、不当な口利き行為に対する大きな抑止効果が認められるのではないかと思います。 国政レベルでもこのような制度の実現を期待します。 (了) 〈口利き記録・公開制度〉のいくつかの例(順不同) 【参考】.

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あっせん利得処罰法をザル法にしないために(園田寿)

あっせん 利得 処罰 法

選挙によって国民や住民の負託を受けた議員の政治活動というもの、あるべき政治活動ということをどのように認識しておられるのか、お尋ねをいたします。 あのときは必ずしも意見が合わなくて法案は日の目を見ませんでしたけれども、今あっせん利得罪で、成立を目前にいたしましてこうして再び大脇先生と議論できる、大変感慨深いものがございます。 どうぞ我々の案に御賛同くださいますようにまずお願い申し上げます。 今、口きき行為が政治活動の中でどういう位置づけになるか、私は口ききというとどうも主観的な響きがありまして、我々はこれは働きかけという言葉を使いたいと思います。 政治公務員が行政に働きかけをする場合、いろんなケースがあると思いますけれども、国民全体のために政策目的を実現する。 それから、特定のグループ、例えば高齢者のため、中小企業のため、こういうために頑張る。 それから、不当な行政行為を受けた者にかわって、代理して、それらの皆さんにかわって行政庁にクレーム、抗議を申し込む。 あるいは、特定の人の利益のために、ここが問題なんです、特定の人の利益のために働く。 我々が問題視しておりますのはまさに特定の者の利益のためにということでございます。 この点は、衆議院で否決はされましたけれども、野党案と全く同じ思いでございます。 ただ、ここはもう質問されておりませんけれども、問題は特定の者といった場合非常に定義があいまいになってくる。 そこで、口きき行為、悪い口きき行為、よい口きき行為とこう二つに分けるとしましたら、悪い口きき行為は特定の者のためである。 しかし、それでは構成要件があいまいであるから契約と処分に限った、こういう考えでございます。 それで、私はお尋ねしたいんですが、ようやくにしてこのあっせん行為による利得の処罰に関する法律案ということが日の目を見ようとしているということかもしれませんが、自社さの時代の議論の延長線上の問題点というものがたくさんあるということを私は考えるんです。 あのときは、あっせん利得の処罰に関する法律をつくると同時に、我々はみずから政治を浄化するための政治倫理の確立、自浄作用といいますか、院の自治作用といいますか、そういうことを二本柱として検討をしてきたわけです。 今回は、あっせん行為による利得の処罰法案というものの議員提案でございますけれども、もう一つの政治倫理に関する我々の自浄作用、自治作用というものについて提案者の方々はどのようにお考えか、そして今回提案の法律案の枠組みでこれまでの政治活動の質をさらに高めることができるというふうにお考えかどうかということについてお尋ねをしたいと思います。 基本的には、個人個人の政治家がそういう認識を持って政治活動をするべきでございますし、また議院の中で、議会の中で行為規範をつくること、あるいは政治倫理確立のために情報公開とも言える資産の公開をやる、これはやっておりますけれども、そういう内部の規範も大事でございます。 それと相まってやっぱり法律にしていく、今回のことでございますけれども、それによって倫理性、清潔性、これは必ず高まっていくものと思います。 政治の流れというのは、しかしながらそれだけではなくて、やっぱり行政の裁量の余地を小さくしていく、透明性を増していく、こういう行為と相まって今回の法律は私は歴史の流れの中で日本の政治をよくしていくものだと評価しております。 「全国民の代表として、全体の利益の実現をめざして行動することを本旨とし、特定の利益の実現を求めて公共の利益をそこなうことがないよう努めなければならない。 」と書いてあります。 そして、一九八五年の十月十四日に議決され、その後改定されました行為規範、参議院政治倫理審査会規程というものがございます。 その当時、私どもは政治倫理法というものを制定すべきだという主張をいたしまして、議会の中に政治倫理委員会というものを常設いたしまして、そこで一定の人数、例えば衆議院が十人であれば参議院が五人でその委員会が開催できるようにして、疑惑を持たれた議員のいわば審査、それからみずから疑惑を持たれた者がまた主体的にそこで弁明することによってさまざまな政治倫理の問題を議論すべきであるという法案を出しました。 各議院は政治倫理の遵守の勧告とか、公開議場における陳謝の勧告とか、登院の自粛とか、さまざまな委員会などの委員長の辞任とか、あるいは議員の辞職の勧告に至るまでやはり自律的にそうした作用を院に持たせるべきだというふうに主張いたしましたが、この点については発議者の方たちはどのようにお考えでしょうか。 この保護法益を実効性あるものとするために、実効性を担保するために厳しいペナルティーを科しているわけでございます。 先生の御指摘の点は、この法案以前の、以前というか並んでというか問題でございます。 政治倫理の確立というのは議員個人個人の自覚が必要でございます。 また、実際の行為を議院、ハウスの中でいろいろ考えていく、これも大事でございます。 これまでに、政治倫理綱領の実効性を高める観点から、行為規範、政治倫理審査会規程の改正強化、そして職務の公正さを明らかにすることを目的とした政治倫理確立のための国会議員の資産等公開法、こういうものをなし遂げております。 先生御指摘の問題点でございますけれども、やっぱりまず第一に問題の所在点を明確にする、どういう方向で議論していくか、その点を決めて、そして議論していくべき問題だと思っております。 それでは、法案の中身についてお尋ねをいたします。 先ほど来、私設秘書を除外するということについてのさまざまな議論がありました。 その中の議論を聞いておりまして私が一番納得できがたいということは、法案の目的というのは、趣旨説明によりますと、公職にある者の政治活動の廉潔性や清廉潔白性というものを保持して、もって国民の信頼にこたえる、公務員の職務自体の性質に着目した収賄罪とは違うんだということを強調しておられます。 にもかかわらず、私設秘書をそれに入れないときに、この法案は公務員という身分犯というものにあるので、したがって私設秘書というものは入らないというふうに説明しておられるんです。 少しずれがあるのではありませんか。 先生御指摘のとおり、第一は身分犯として構成している、こういうことであります。 構成要件を明確にしておかないと、この法律は、一たん処罰を受けまして刑に服した後、いわば被選挙権を含む公民権停止、これは十年ということになります。 したがいまして、大変これは、今のは政治公務員本人でございますけれども、そういう厳しい法律であります。 そういう厳しい法律の中で私設秘書をどう考えていくか。 私設秘書の問題につきましては、第一に、たびたび御説明しておりますが、身分犯、第二にあっせん収賄罪とのバランスの問題、第三に政治公務員と意を通じている場合には正犯として罰せられる、こういうことでございます。 逆に、私設秘書自体を犯罪の主体にした場合には、あるいは政治公務員と意を通じていた場合でも、私設秘書だけ罰してしまう、つまりトカゲのしっぽ切りになってしまう可能性が大きいのではないかと、こういう反論もあるわけでございます。 一番大きな問題点、大変ここは悩ましいこと、事実であることはそのとおりであります。 公設とそれから私設と仕事がどう違うんだと、こういうふうなこともございます。 しかし、身分犯として決めたこと、それから私設秘書といってもいろんな態様がある、政治公務員との間の関係もいろいろある、そういうものを一律にしてしまうのはどうだろうか。 名刺一枚で秘書活動をしている、こういう方々も、全く政治家本人が、政治公務員が知らない状態でやっている可能性もあるじゃないか。 いろんな問題がございますので、この点は身分犯として、公務員という法律、国会法百三十二条に基づいた地位にある者を対象として決めておる次第でございます。 私が言いたいのは、この法案というのは公職にある者の政治活動の廉潔性ということを保護法益とするということであれば、その議員と一体性を持つ、いわば仕事の実態で公設秘書も変わりがないという実態があるわけですから、公設秘書も外すというならまあそれは一つの論理の一貫性ですけれども、その実態性というところで、公設秘書だけ入れて、そして身分犯だという立法政策の目的だけを言って、それは私は法律のいわば骨抜きというか抜け穴をつくっているに等しい論理だと思わざるを得ないわけです。 先ほど公設秘書は議員に準ずる形で、私設秘書は非常に軽くという、期待可能性ということをおっしゃったわけですけれども、私は実態上は私設秘書こそ地元で最も有権者と密接な関係を持って議員の指揮命令のもとで一体となって活動しているという実態があると思うわけですが、それはおかしいのではないかと、身分犯と言われることには納得ができないというふうに思いますが、いかがでしょうか。 私設秘書が何かの犯罪を犯した場合、何かの犯罪というよりもあっせん利得罪を犯した場合という問題でございますけれども、あっせん利得罪というのは本来、不当なこと、不正なことをさせない、正当なことをさせる、こういうことを含んでいるわけでございます。 それから、私設秘書が自分の独自の判断で何かやった場合には他の法律で罰せられるわけでございます。 繰り返しになって恐縮ですが、政治公務員と意を通じてやった場合には共同正犯として罰せられるわけでございます。 そういう意味で、何らの不都合もありませんというふうに御認識いただきたいと思います。 さらに、連座制などで私設秘書がどういうかかわりがあったときに議員が当選無効になるのかというような判例が幾多重なっておりまして、その判例を見てみますと、秘書という名称を承諾し同意した場合、そしてまた指揮命令のもとに政治活動を助けている場合、一定の裁量と責任を持っているようなスタッフ、これらは私設秘書として連座制の態様になるわけです。 給与がもちろん議員から出ているわけですから、私設秘書というのは勝手に名刺を持ってうろうろしている者まで含むではないかということはこれまでの裁判例から見たらまことにおかしいわけで、もう既に判例上私設秘書というものは議員とどの程度のどういう要件があったときに一体性があるのかということは確立しているわけですから、やはり私設秘書というものは、さまざまな法令、判例やその他の法体系の中においても、この法の立法趣旨からすればどうしても含んでいただいて修正をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 公職選挙法の連座制の問題というのは保護法益が違う、私はそういうふうに思います。 連座制の場合は、汚れた選挙で当選してきた、その当選を無効にする、その背景にある者を罰すると、こういう思想でございます。 今回のあっせん利得罪におきましては、正しいことをやらせる行為、不当なことをやらせない行為、こういうことを含んでおるわけでございます。 しかしながら、特定の者のために利益を与えるようなあっせんはやめていこうじゃないか、こういう一定の政治公務員の活動のルール、そしてそれによって政治公務員の廉潔性を守っていこう、こういう保護法益の基本を考えますと、やっぱり連座制とは全く違う保護法益だなと。 その場合に、やはり犯罪主体というのは公務員である。 それは政治公務員であり、それから政治活動を補佐する公設秘書、こういうふうに限らせていただくのは、私はあながち理屈がないわけではない。 実態的な問題は繰り返しになりますからもうやめます。 〔理事鴻池祥肇君退席、委員長着席〕 さて、財産上の利益に限定する意義、これも自社さ政権のときに、わいろとするのか財産上の利益とするのか、財産上の利益にどこまで含むのかという激しい議論をいたしたことを思い出しますけれども、やはりこの法の趣旨で、情交関係とか供応とか票の取りまとめ、就職あっせん、投資情報の提供、後援会活動、選挙活動、これらを除いてしまうということはとても問題が多いのではないかというふうに思います。 先ほど就職のあっせんをしてお金を取ったら何か罰するというようなことをおっしゃったと思うんですが、今私が挙げたこういった問題、これはやっぱり財産上の利益にならないとお考えでしょうね。 この法律は、刑法の類型として考えるのではなくて、私どもは特別の形態であると、このように考えておるわけでございます。 いわば自然犯でもそれから行政犯でもない特別の法律だ、世界に類を見ない法律である、このように考えておるわけでございます。 したがいまして、もし不正ということから発生したお金、財産等であればわいろという言葉を使うのでございましょうけれども、私どもはそういう発想法でございますから、財産上の利益、極めて中立的な物の言い方をしているわけでございます。 そこで、問題は、財産上の利益といった場合には金銭に換価できるものと、こういうふうに理解しているわけでございますが、わいろといいますと、すべて人間の欲望、需要を満たすものがわいろという定義のようでございます。 そういたしますと、先生が今御指摘なさいましたような情報とかそれから地位とかあるいは男女間の情交とかが入ってくるわけでございますけれども、さらに例えば名誉市民にしましょうというような話もこのわいろに当たると、こういう解釈になってくるわけでございます。 先ほど就職のあっせんということで御指摘がございましたが、就職のあっせん、これは公務員になるという意味でございまして、一般の会社の採用を頼んだ、これはこの法律の対象外でございますが、その場合には対象になる場合が大きいと、こういうふうに御回答いたしております。 いずれにしましても、この法律は、何度も申し上げて恐縮なんですけれども、正当なことをさせる、不正なことをさせない、このところまで含んでおりますので、不正という概念からちょっと離れております。 もちろん、不正ということも概念上は入ってきます。 しかし、恐らく不正ということでやった場合には、刑法のあっせん収賄罪が先に適用される。 両方の法律が適用されますけれども、不正であれば刑法のあっせん収賄罪が適用されるということに一般論としてはなろうかと思いますが、すべてこれは具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題である、このように理解しております。 またさらに、何回も言われるんですが、この職務権限についての議論の中でいま一つ納得がいかない点について私は重ねてお尋ねをいたしますが、法令に基づいて有する権利、それは国会議員等の地位と違うんですか、一緒なんですか。 直接間接影響をする、随伴するもの、多々いろいろ解釈は言われているんですが、やはりこの権限というものについては、職務権限の職務というものの有無がまとわりついているとすれば、非常にこの要件が厳格に過ぎていくというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。 権限といった場合に、これは職務というよりも国会議員としての権限でございますから、例えば発議権とか国政調査権を背景にした質問権とか、こういうことを言っているわけでございます。 それから、影響力といった場合には、被あっせん公務員の判断すべてを拘束する必要はございませんけれども、やはりそれによって影響を受ける、こういうことでございます。 それから、間接直接という言い方をよくしておりますが、直接というのは、これも先ほども例で出ておりますが、例えばこのことを、言うことを聞かなければ委員会で質問しますよとか、こういうことでございます。 それから、間接というのは、一つの例でございますけれども、わかっているだろうなとか、こういう言い方もあろうかと思います。 失礼しました。 そこは暗示的の方です。 そこは取り消します。 間接のところを今完全に取り消します。 間接というのは、その本人が持っている、例えば、実際にじゃ仲間に声をかけて反対者をふやすよとか、そういう例が当たろうかと思います。 それから、明示的、黙示的という言い方のところで私、説明を先ほど間違えましたけれども、明示的はおわかりのとおりでございますが、黙示的というのは、例えば、わかっているだろうなというようなことでございますけれども、これはすべてわかりやすく説明するために申し上げていることでございますので、実際はあっせんをする政治公務員の立場、あるいはそのときの言動、あるいはあっせんされる公務員、被あっせん公務員の職務の内容、その他諸条件をいろいろ踏まえて具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題になろうかと思います。 ちょっと手元にそれを書いたものがございませんけれども、先ほど申し上げましたように、議員の議院における議案発議権、修正動議提出権、表決権、それから先ほど申し上げました国政調査権を背景とした質問権等でございます。 それが国会議員固有の権限でございますから、基本的にはそういう権限を言っておるわけでございまして、もし地位を利用してというような書き方をいたしますと、例えばあっせんする側、あっせんする政治公務員と被あっせん公務員との間に友達関係があるとか親戚関係とか、あるいはよく飲んでいる友達だとか、そういうことがどうなるのかという疑義が出てまいります。 そういう意味で、この法律につきましては構成要件をきちっとしている、こういうことでございます。 議員としての職務権限に基づく影響力でございます。 もちろんそれは、国会議員、地方議員、首長によって異なります。 ですから、大臣であるからとか、大臣であればその省内、山の中では大変な権限を持っていると思いますが、これはあっせんすることを問題にしている法律でございますから、あっせんというサイドから見ますと議員としての問題でございます。 これもまた前に先生と大変いろんな議論をしたんですが、私の持ち時間がもう終わりましたので、次の質問の機会に移させていただきます。 ありがとうございました。

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