悪性 リンパ腫 予後。 脳リンパ腫の生存率や治療方法は?原因や初期症状についても

中枢神経系原発悪性リンパ腫|東京大学医科学研究所附属病院 脳腫瘍外科

悪性 リンパ腫 予後

悪性リンパ腫は、リンパ節やその他のリンパ組織 扁桃腺、胸腺、胃や腸のリンパ組織 にできるがんです。 体内のどのリンパ組織にも発生する可能性がありますが、多いのはリンパ節で、次にワルダイエル輪 扁桃を含む咽頭リンパ組織 、胃の順です。 日本では年間約1万人が悪性リンパ腫にかかっています。 亡くなる人は年間約9400人で、すべてのがんのなかで9番めに死亡者数の多いがんです。 子どもにも発症しますが、頻度が高くなるのは40歳以上で、年齢が上がるにつれて発生率も増加します。 悪性リンパ腫には多くの種類があり、大きくはホジキン病と非ホジキンリンパ腫に分けられます。 日本では9対1の割合で非ホジキンリンパ腫が多くなっています。 非ホジキンリンパ腫には、T細胞型とB細胞型があります。 悪性リンパ腫は種類によって予後も異なりますが、化学療法や放射線療法が効果的です。 悪性リンパ腫の原因 リンパ系や免疫系の異常から生じることもありますが、悪性リンパ腫の明確な原因はまだ解明されていません。 同じ家族内で発症する例もあることから、遺伝や環境因子の関与も指摘されています。 ウイルスや細菌の感染も原因の1つと考えられます。 悪性リンパ腫の症状 初めは小指の先くらいのしこりに気がつき、それがしだいに大きくなっていきます。 しこりができる部位や初期症状は、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫で多少の違いがありますが、どちらも痛みがない点では共通しています。 ただし、急速に大きくなってくる場合には、痛みや発赤、熱感など、リンパ節炎と まぎらわしい症状がみられることがあります。 【サイト内 特設ページ】 がんに関する情報は、世の中に溢れています。 「何を信じていいのか分からない」と不安なら。 こちらのページに解決策があります。 1度の生検で診断を確定できずに、経過を観察しながら生検を繰り返すこともあります。 また、白血病への移行や、中枢神経への浸潤も多いので、骨髄穿刺や腰椎穿刺といった検査も必要になります。 血液検査が行なわれることもあります。 胸部X線、超音波、X線CT、MRIなどの画像検査では、病気の進行度や転移の有無がわかります。 病期は、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫とも、4段階に分けられます。 なお、非ホジキンリンパ腫は、検査段階で軽度、中等度、高度の3つの悪性群にも分類されます。 中・高度悪性リンパ腫は、日本人に最も多い悪性リンパ腫のタイプです。 悪性リンパ腫のT細胞型 頸部から縦隔にかけて発生します。 腫瘍が大きくなるにつれて、縦隔が圧迫されて呼吸困難となり、顔面や上皮にむくみが出ることがあります。 また胸水がたまると胸膜炎と似た症状があらわれます。 悪性リンパ腫のB細胞型 多くは、大腸や小腸の壁、腸間膜のリンパ節から発生します。 腹痛、便秘、腹部のはれなど、腸閉塞に似た症状がみられます。 悪性リンパ腫の進行 非ホジキンリンパ腫の軽度悪性群は増殖が遅く、治療も効きにくいため、はじめは無治療で観察するのがふつうです。 中・高度悪性群は、進行が速く、早期に骨髄や中枢神経系に転移して、白血病と同じ症状がみられる場合があります。 なお、軽度悪性群のB細胞型リンパ腫は中悪性度以上のリンパ腫に進展することがあります。 またB細胞型の大半は白血病に移行するといわれています。 【サイト内 特設ページ】 がんに関する情報は、世の中に溢れています。 「何を信じていいのか分からない」と不安なら。 こちらのページに解決策があります。 非ホジキンリンパ腫は、悪性度によって治療法が異なります。 ただ、残念ながら根治させるのは困難です。 軽度悪性群から中悪性度以上に進展した場合には、中・高度悪性群に準じた治療が行なわれます。 なお、化学療法が効いても治癒が望めない場合、再発した場合などには、造血幹細胞移植が行なわれます。 悪性リンパ腫に対する化学療法(抗がん剤治療) 悪性リンパ腫は、化学療法で治癒が期待できる数少ないがんの1つです。 副作用が少なく、症例によっては根治が期待できるともいわれます。 悪性リンパ腫の放射線療法とは ほかのがんに比べると、放射線も効果があります。 高度悪性群では、化学療法のあとに放射線療法が行なわれることが多くなります。 悪性リンパ腫に対する放射線療法は、外部照射です。 悪性リンパ腫の予後と生存率 一般に、ホジキン病は他のがんに比べて予後はよいです。 非ホジキンリンパ腫は、種類や悪性度によって予後が異なります。 初期治療がむずかしい予後不良のタイプには、次のようなものがあります。 急速にしこりが増大する型、薬剤耐性のあるもの、白血化 末梢血液中に白血病のようにリンパ腫細胞がみられる状態 しているものなどです。 また、軽度悪性群の非ホジキンリンパ腫は、進行がゆるやかで生存期間も長いのですが、再発率が高く、治癒率の低い種類といえます。 なお、治療後、完全寛解が続けば、3年以降の再発率は非常に低くなり、治癒している可能性が高くなります。 非ホジキンリンパ腫とは 悪性リンパ腫は、がん化するリンパ球の種類により、B細胞性、T細胞性、それにNK細胞性に分けられます。 日本ではB細胞性のリンパ腫が大半を占めます。 悪性度も、低いものから高いものまでさまざまで、それぞれ治療の方針が異なります。 悪性リンパ腫は、抗がん剤が効きやすいがんのひとつです。 とりわけB細胞性の悪性リンパ腫の大部分に対しては、抗体製剤リツキシマブが高い治療効果を示します。 非ホジキンリンパ腫の抗がん剤治療の目的 非ホジキンリンパ腫に対しては、一般に化学療法 抗がん剤治療 が中心になります。 低悪性度のリンパ腫の場合は、放射線単独で治療することもあります。 また、リンパ節以外から発生したがんに対する治療はそれぞれ異なり、放射線治療や化学療法を組み合わせて行います。 胃や腸のリンパ腫は切除することもあります。 非ホジキンリンパ腫に対する化学療法の目的は以下の通りです。 1.治癒を目指す 2.がんの進行を止めて延命を図る、または痛みなどの症状を緩和する 非ホジキンリンパ腫の抗がん剤治療の投与プログラム 悪性度の低いリンパ腫に対しては、治療せずに観察を続け、症状が現れたときにはじめて治療を開始します。 中悪性度、高悪性度のリンパ腫に対しては、はじめから化学療法を行います。 リンパ節が腫瘤 こぶ 状に非常に大きくなっている場合には、化学療法を行った後、患部に放射線を照射することもあります。 リンパ節以外のリンパ腫の治療も、化学療法と放射線治療が中心となります。 胃や腸のリンパ腫の場合には、切除手術を行ってから化学療法を施す例もあります。 非ホジキンリンパ腫でもリンパ芽球性リンパ腫については、急性リンパ性白血病に準じた治療を行います。 非ホジキンリンパ腫の抗がん剤治療の進め方 非ホジキンリンパ腫に対してはさまざまな併用療法が工夫されていますが、1970年代に登場したCHOP療法がすぐれた治療効果を示しています。 現在では、これにリツキシマブを組み合わせたR-CHOP療法が、第一選択肢となっています。 T細胞性白血病リンパ腫、マントルリンパ腫などの特殊なタイプに対しても、一般にこれらに準じた併用療法が選択されます。 また、おもに臨床試験として別の薬も試されています。 1.リツキシマブ 抗体製剤の一種です。 B細胞性の悪性リンパ腫の大部分ではがん細胞の表面にCD20というたんぱく質が存在します。 リツキシマブはこのたんぱく質を見分けて、患者の免疫細胞がこのがん細胞を攻撃するように仕向けます。 リツキシマブは、おもに他の抗がん剤と併用されますが、悪性度の低いリンパ腫に対しては単独で使用することもあります。 2.シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾ口ン CHOP療法 プレドニゾロンを治療1~5日目に経口で投与します。 残りの3剤を治療1日目に静脈に投与します。 3週間を1クールとして同じ治療をくり返します。 3.CHOP療法+リツキシマブ R-CHOP療法 CHOP療法にリツキシマブを組み合わせます。 リツキシマブは治療1日目に静脈に投与します。 4.シクロホスファミド+ビンクリスチン+ドキソルビシン+デキサメタゾン ハイパーCVAD療法 マントル細胞リンパ腫に用いられます。 ホジキン病 ホジキンリンパ腫 とは ホジキン病は、悪性リンパ腫の一種です。 19世紀にイギリスの医師トーマス・ホジキンがはじめてこの病気について記したことからその名があります。 このがんでは、免疫系の一部をなすリンパ球ががん化すると見られています。 ホジキン病のがん細胞は、細胞核を2つ以上もつなどの特徴があり、これにより他の悪性リンパ腫と見分けられます。 ホジキン病は20歳代の若年者に多いといわれるがんです。 欧米人に比較的多く、日本ではそれほど多くはありません。 一部のホジキン病はエプスタイン=バー・ウイルス EBウイルス の感染が原因になると見られています。 ・ホジキン病の抗がん剤治療の目的 ホジキン病の治療の中心は化学療法 抗がん剤治療 と放射線治療です。 どちらかを単独で行うこともありますが、しばしば併用されます。 造血幹細胞移植を行うこともあります。 ホジキン病に対する化学療法の目的は以下の通りです。 1.治癒を目指す 2.がんの進行を止めて延命を図る、または痛みなどの症状を緩和する ホジキン病に対する抗がん剤投与プログラム ホジキン病では、早期がんに対しては放射線単独での治療を行うこともあります。 しかし一般には、早期がんも含めて化学療法と放射線治療の併用か、化学療法単独での治療が多いようです。 主要な投与プログラム ホジキン病に対する併用療法は多様ですが、最近ではABVD療法が最初の選択肢となっています。 1.ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン ABVD療法 これら4剤を治療1、15日目に静脈に投与します。 ただしダカルバジンは1~5日目に静脈投与することもあります。 4週間を1クールとして同じ治療をくり返します。 かつてはMOPP療法あるいはCOPP療法も利用されましたが、最近ではあまり用いられません。 再燃したホジキン病の治療 日本では、エトポシドを含めた以下の投与法が試みられています。 1.アドリアマイシン+エトポシド+ビンプラスチン 2.ミトキサシトロン+エトポシド 3.カルボプラチン+エトポシド なお海外では、がんが治療に反応しないときや再燃したときには、以下の併用療法が試みられます。 難治がんの場合、早期にこの治療を行うと、半数の患者が寛解すると報告されています。 がん治療専門のアドバイザー・本村です。 私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。 「本村さん、おかげで元気になりました」 そんな報告が届くのが嬉しくて、もう10年以上も患者さんをサポートしています。 しかし毎日届く相談メールは、 「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」 「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」 「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。 しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」 こんな苦しみに溢れています。 年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。 それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。 なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。 しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。 共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。 幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。 では、がんに勝つにはどうすればいいのか? 最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。 こんにちは。 本村ユウジです。 「がん患者さんに正しい選択を伝えること」をミッションに活動している、がん治療専門アドバイザーです。 誰とも利害関係なく、中立的な立場で、これまで4,300名の患者さんをサポートしてきました。 プロとして10年の経験があります。 医者同士が「がんは放置しろ」「いや、病院で治療すべきだ」と批判しあう異常な時代。 玉石混合の情報が飛び交っています。 誰が味方で、誰が敵なのか分からないので、私はたったひとりで「どうすればがんに勝てるのか」を突き詰めてきました。 私の武器は【事実と正しい知識】だけです。 それだけを軸に、がん患者さんやそのご家族を支援しています。 がんと闘う人が、できるだけ心身にキズを負わず、命を縮めることなく。 選択を誤らず、無駄なことは一切せず、無駄なお金も使わず、最短距離でがんを克服する道を歩む。 そして正しい知識を持つことが不可欠です。 私は多くの身内をがんで亡くした経験を経て、2008年から「素人の支援ではなく、仕事として」がん患者さんのサポートをしてきました。 ありがたいことに、たくさんの喜びや感謝の言葉を頂いてきましたので、その一部をこちらに掲載しています。

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悪性リンパ腫 再発 予後はどう?

悪性 リンパ腫 予後

基本的に悪性リンパ腫のリンパ節腫脹は痛みがありませんが、まれに痛みや発熱をともなうこともあります。 また、がんの腫瘍が脊椎・ 内臓 ・気道・血管などを圧迫すると、脊椎圧迫による麻痺・気道閉塞 ・ 血流障害などの障害が起こることもあります。 末期 には 転移場所によって、食欲不振・悪心・嘔吐・イレウス様症状・黄疽・腹水など の症状 が現れ、感染症を合併することもあります。 肺 ・ 気管などに広がると 長く続く 咳 や 呼吸困難、肝臓 に広がると 腹水や黄疸症状、腹部に 広がる とむくみ や 尿路障害、骨に広がると骨痛などを生じること が あります。 ホジキンリンパ腫の治療 ホジキンリンパ腫の初発限局期の場合は、まず 4種類の抗がん剤を組み合わせた 化学療法を行い、それに放射線治療(区域照射)を加えます。 再発・難治性ホジキンリンパ腫 で は、救援化学療法(多剤抗がん剤の組み合わせなど)を行います。 非ホジキンリンパ腫の治療 多剤併用化学療法による治療を行います。 放射線療法が併用されることもあります。 非ホジキンリンパ腫のなかで 日本人に一番多いびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫は、化学療法に対する感受性が非常に よ く、 分子標的薬と化学療法を併用する治療法により 治癒を期待することができます。 胃のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫とMALTリンパ腫には、いわゆるピロリ菌を除去するヘリコバクター・ピロリ除菌療法が有効という報告があり、現在ステージの進行していないピロリ菌陽性のMALTリンパ腫に対する第一選択治療はピロリ菌除菌とされています。 また、進行が早いものには、化学療法や放射線療法後に、自分か他人の造血幹細胞を点滴する自家末梢血幹細胞移植 大量化学療法併用 や 同種 造血幹細胞移植という治療法もあります。 緩和ケア 悪性リンパ腫の末期では、体の痛みや苦しみを和らげるための緩和ケアを行います。 痛みだけでなく、全身の倦怠感や便秘 ・ 下痢 ・ 胸水貯留による呼吸困難などの症状を和らげます。 痛みに対しては、まず普通の痛み止めを使い、その効果が不十分になると、弱い医療用麻薬、さらに効かなくなると強い医療用麻薬を使います。 これらの使用について、WHOでは、 (1) 飲み薬が基本、 (2) 時間ごとに服用する、 (3) 弱い薬から始め、効かなくなったら強い薬に移行する、 (4) 個人の特性にあわせて使う、 (5) 使用には細心の注意を払う 、 という 5 原則を決めています。 末期になると、体のだるさから落ちこみやすくなる、イライラしやすくな る 、死を考えて不安にな る、といった症状が出ることがあり ます。 そのため、精神面への負担を取りのぞく精神的な緩和ケアもとても重要な治療の ひと つとなっています。

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悪性リンパ腫 病型や悪性度、腫瘤の部位や大きさに応じた治療選択

悪性 リンパ腫 予後

悪性リンパ腫とは 悪性リンパ腫とは血液のがんで、細菌やウイルスなど病原体を排除するなどの機能をつかさどる免疫システムの一部であるリンパ系組織とリンパ外臓器(節外臓器)から発生するものです。 リンパ系組織は、リンパ節、胸腺や脾臓、扁桃腺などの組織・臓器と、リンパ節をつなぐリンパ管やリンパ液からなります。 リンパ系組織は全身にあるため、悪性リンパ腫も全身すべての部位で発生する可能性があります。 リンパ外臓器(節外臓器)は、胃、腸管、甲状腺、骨髄、肺、肝臓、皮膚などです。 日本で悪性リンパ腫にかかる患者さんは、年間10万人あたり約10人です。 小児の悪性リンパ腫では成人とは病態や治療が異なるため注意が必要です。 悪性リンパ腫になる原因は、まだ明らかではないですが、一部にはウイルス感染症が関係することや、免疫不全者に多いことがわかっています。 悪性リンパ腫には30種類以上の病型がありますが、腫瘍細胞の形や性質から、大きくホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2種類に分けられます。 ホジキンリンパ腫 ホジキンリンパ腫は日本では少なく、悪性リンパ腫のうちの約10%です。 ホジキンリンパ腫は非ホジキンリンパ腫に比べ、治癒する可能性の高い(約65~80%)病気です。 ホジキンリンパ腫は、さらに古典的ホジキンリンパ腫、および結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫に分けられます。 現在は抗がん剤治療や造血幹細胞移植などの進歩により、悪性度の高いリンパ腫でも治癒が期待できます。 非ホジキンリンパ腫 日本では、悪性リンパ腫のうち約90%を非ホジキンリンパ腫が占めています。 ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫とも全身に広がる可能性がありますが、非ホジキンリンパ腫のほうがその可能性が高くなっています。 非ホジキンリンパ腫は、リンパ球の種類から、B細胞性、T細胞性、NK細胞性などに分類(病理学的分類)されるほか、診断された病気を放置しておいた場合に予測される進行速度によっても分類されます(臨床分類)。 悪性度と病理組織学的分類を組み合わせることでそれぞれの患者さんに適した治療法が決まります。 ~臨床経過からみた非ホジキンリンパ腫の分類~ 低悪性度(年単位で進行):濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫 など 中悪性度(月単位で進行):びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫など 高悪性度(週単位で進行):リンパ芽球性リンパ腫、成人T細胞白血病・リンパ腫・パーキットリンパ腫など 悪性リンパ腫の症状 悪性リンパ腫の症状は、首や腋の下、足の付け根などリンパ節の多いところに、通常、痛みのないしこりとして現れてきます。 リンパ節の腫れは初期症状としても見られることが多く、しこりのように腫れあがることが多くなることが特徴です。 また、 原因不明の発熱や体重の減少、寝具の取り替えを要するほどのひどい寝汗がみられることがあり、これら3つの症状はB症状とも呼ばれます。 そのほかに、体がかゆくなる、皮膚に発疹が出るなどの症状が現れることもあります。 また、臓器にリンパ腫が広がることでさまざまな症状が出現します。 例えば肺や気道など胸部のリンパ節にしこりが見られた場合には、呼吸困難や気道閉塞、咳が出やすくなります。 腹部のリンパ節にしこりが見られた場合には下肢など腹部より下の部分のむくみや、尿路障害が出現します。 肝臓にしこりが見られた場合には黄疸や腹水、皮膚の痒み、骨の場合は痛みなどが出現します。 他にも6か月間で10%以上の体重減少、感染症となりやすくなるのも、悪性リンパ腫の症状といわれます。 悪性のリンパ腫が形成した腫瘤により気道や血管、脊髄などの臓器が圧迫されることで、気道閉塞、血液障害、麻痺などの症状が現れ、緊急対応を要することがあります。 悪性リンパ腫の原因 悪性リンパ腫の原因は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫で原因が異なるとされています。 ホジキンリンパ腫 ホジキンリンパ腫の原因には 家族内の遺伝的な要因とEBV Epstein-Barr Virus の感染が考えられています。 EBV感染者がホジキンリンパ腫にかかるリスクは、非感染者の4倍以上高いとされており、日本の患者の約50%がEBVの感染者であるとみられています。 他にも、有機溶剤、除草剤、木材粉じんなどがホジキンリンパ腫のリスクを増加させる可能性があると考えられているものの、エビデンスはまだ不明で、現在研究中となっています。 非ホジキンリンパ腫 非ホジキンリンパ腫はいくつかの原因が考えられています。 免疫不全 先天性及び後天性の免疫不全の罹患者または、免疫不全を引き起こす薬剤の治療を受けた場合、非ホジキンリンパ腫のリスクが増大することが報告されています。 細菌感染 日本では胃に発生する悪性リンパ腫が多く、ヘリコバクター・ピロリ菌と非ホジキンリンパ腫の感染の関係性が報告されています。 ウイルス感染 ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-Iウィルス)の感染や、C型肝炎ウイルスの感染が非ホジキンリンパ腫の感染と関係していることが報告されています。 農薬および化学物質の暴露 除草剤、害虫駆除剤、肥料を職業的に扱っている作業者と非ホジキンリンパ腫の発生との関係が明らかになっています。 また、有機溶剤、有機塩素系殺虫剤、ポリ塩化ビフェニールも非ホジキンリンパ腫の原因になり得るという報告があります。 ダイエットや生活習慣 動物性たんぱく質の摂取や脂肪の摂取が非ホジキンリンパ腫の原因になり得るとの報告があります。 他にも遺伝子異常が非ホジキンリンパ腫の原因になり得ると考えられていますが、あくまで原因として考えられるあるいは報告されているというレベルであり、確固たる原因は不明、または研究中です。 リンパ節または腫瘍生検 局所麻酔または全身麻酔を行ない、しこりのあるリンパ節あるいは腫瘍の一部を外科的に採取します。 この組織を顕微鏡で病理学的に分類し、リンパ腫細胞の形や性質を詳しく評価して、リンパ腫の病型が決められます。 病型決定のために、生検した組織を用いて異常細胞の遺伝子検査を行うこともあります。 病気の広がり(病期)を調べる検査 病変の大きさや、どこまで広がっているのかを調べるため、胸部X線検査、超音波(エコー)検査、CT検査、骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検)、消化管検査などを行います。 必要に応じて、PET検査やガリウムシンチグラフィー、MRI検査が行われます。 リンパ腫が脳や脊髄に広がっていると疑われる場合は、脳脊髄液の検査を行うこともあります。 1)胸部X線検査 一般的なレントゲン(X線)写真による検査 2)超音波(エコー)検査 体内における超音波の反響を利用し、腫瘤の位置や大きさ、分布を調べます。 3)CT、MRI検査 CTは、X線を使って体の内部を描き出し、病変の大きさや広がりを調べます。 MRIは磁気を使用します。 CTで造影剤を使用する場合、アレルギーが起こることがあります。 ヨードアレルギーの経験のある人は医師に申し出る必要があります。 4)骨髄検査 腸骨または胸骨に針を刺して骨髄液を吸引する骨髄穿刺、少量の組織を採取する骨髄生検で、骨髄中の細胞や骨髄組織の検査を行います。 5)消化管内視鏡検査 内視鏡で胃の内部を直接観察する内視鏡検査で、病変の有無を調べたり、組織の採取を行います。 ヘリコバクター・ピロリ菌の検査を行うこともあります。 必要に応じて大腸内視鏡検査なども行います。 6)PET検査、ガリウムシンチグラフィー 放射性ブドウ糖液を注射して、その取り込み分布を撮影することで全身のがん細部を検出するのがPETです。 ガリウムシンチグラフィーでも放射性薬剤を注射します。 現在ではPETがより有用性が高いため、ガリウムシンチグラフィーに代わって行われています。 7)脳脊髄検査 腰椎の間に細い針を刺して脊柱管の中にある脳脊髄液を採取する検査です。 全身状態と、原因となる危険因子(ウイルスなど)を調べる検査 血液、尿検査などが行われます。 血液検査では肝臓や腎臓の機能をはじめとして、次に記載する項目について調べます。 また心電図や心エコーによる心機能検査や、血液ガス分析による呼吸機能検査などが、治療に耐えられるだけの体力があるかどうか調べたり、治療に伴う合併症を早期にとらえたりする目的で行われます。 さまざまなウイルスの感染状況を調べるのは、感染の有無が悪性リンパ腫の原因となる場合もあることや、治療に伴う合併症を予測するという意味もあります。 病気の勢いや治療効果を予測する検査 血液検査を行い、血清LDH(乳酸脱水素酵素)、CRP(C反応性蛋白)などの指標となる数値を調べます。 可溶性インターロイキン2(IL-2)受容体を検査する場合もあります。 病変のある領域は下付きの数字で表します。 関連するリンパ節病変の有無は問われないことが特徴です。 これに加えて発汗、寝汗、体重減少の症状の有無に従ってAまたはBと分類がされます。 また、国際悪性リンパ腫会議で作成されたLugano分類も病期分類に用いられます。 と表記します。 悪性リンパ腫の生存率・予後 悪性リンパ腫の生存率はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫で異なります。 7%とされており全症例の平均5年生存率は76. 0%とされています。 6%とされており、全症例の平均5年生存率は68. 3%とされています。 現在では医療の進歩によってこの値よりも生存率が向上していることが考えられています。 また、年齢や血液データなど予後不良因子の有無によっても生存率が左右されており、高齢者よりも64歳以下の若い年代の方が生存率は高くなっています。 また、男性よりも女性の方が、生存率が高い傾向にあるというデータ があります。 悪性リンパ腫の予後は、無治療で予後が年単位、中悪性度で月単位、高悪性度で週単位とされています。 抗がん剤 化学療法 化学物質(抗がん剤)を利用してがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。 全身のがん細胞を攻撃・破壊し、体のどこにがん細胞があっても攻撃することができる全身療法です。 悪性リンパ腫の治療は基本的に化学療法が中心に行われることが特徴です。 ホジキンリンパ腫に対する化学療法は、ドキソルビシン・ブレオマイシン・ビンブラスチン・ダカルバジン併用療法(ABVD療法)が現在の標準的治療法となっています。 また、非ホジキンリンパ腫では病理組織型および悪性度によって治療内容や薬剤が決定されることが多くなります。 また、中悪性度以降は全ての悪性リンパ腫が化学療法の対象となります。 放射線療法 腫瘍の成長を遅らせるために、あるいは縮小させるために放射線を使用する治療法です。 がんに侵された臓器の機能と形態の温存が出来ますまた、がんの局所療法であるため、全身的な影響が少なく、高齢者にも適応できる患者にやさしいがん治療法です。 病変部の悪性リンパ腫の根治治療のために放射線治療が行われます。 リンパ腫の範囲が限られていて、連続している部分に対してはとても高い効果が期待できます。 週に4~5日、1日1回の照射を3~5週間というサイクルで行っていきます。 造血幹細胞移植 造血幹細胞移植とは、骨髄の中にいる赤血球、白血球、血小板を作る細胞(造血幹細胞)を移植することによって、生涯にわたり正常な血液が作られるようにする治療法です。 造血幹細胞移植は通常の化学療法では治癒が難しい、あるいは治癒する可能性が少ない人に行われます。 造血幹細胞移植を行うためには、治療のおよそ1週間前からの移植前処置として、大量化学療法や放射線による治療を行います。 これにより、腫瘍細胞を減少させておくとともに、患者自身の免疫機能を抑制しておきます。 特に、後述する「同種移植」では必要となる処置です。 後述する自家移植でも大量化学療法による移植前処置を行いますが、これは腫瘍細胞の根絶と、造血機能回復という目的があります。 移植当日は、造血幹細胞が含まれている細胞液を点滴で注入します。 移植から約1~数か月で、血液細胞は置き換わるといわれています。 造血幹細胞の移植には、自分の造血幹細胞をあらかじめ採取して移植する自家移植と、他人の造血幹細胞を移植する同種移植があります。 自家移植 過去に受けた化学療法などの治療により、患者自身の正常血液細胞が回復した(寛解した)状態の時に、あらかじめ患者自身の造血幹細胞を採取して凍結保存し、必要なときに移植する方法です。 この場合も、移植前治療が必要となります。 かつて、患者自身の造血幹細胞を採取するときは骨髄から採取していましたが、現在は末梢血からの造血幹細胞採取が可能となりました。 この方法を「自家末梢血幹細胞移植」といいます。 同種移植 造血幹細胞を、患者以外の別の人から移植する方法です。 造血幹細胞のドナー(供給者)としては、HLA(白血球型)の一致した兄弟姉妹、骨髄バンク・臍帯血バンクの登録者などが考えられます。 後者を特に「非血縁者間移植」と呼びます。 いくつかの選択肢の中から、患者自身の年齢や全身状態、病気のタイプや進行度、残されている臓器機能などによって選択することになります。 他人の造血幹細胞を移植する場合では、移植片対宿主病(GVHD)という、移植に伴う免疫反応が合併症として出現する場合があり、予防が必要となります。 造血幹細胞移植の合併症として、移植片対宿主病(GVHD)があります。 これは、同種移植の際に多くみられる反応です。 移植された造血幹細胞を含む血液細胞には、免疫をつかさどる白血球(主にリンパ球)が含まれています。 移植されたドナー由来の白血球は、移植後の患者の臓器を異物とみなして反応します。 急性のGVHDは、軽症では皮膚の発疹がみられますが、重症になると肝機能障害(黄疸)、大量の下痢などを起こして全身状態が悪化、重篤な状態になります。 移植から3か月ほど経過した後に、GVHDのような反応が見られることを「慢性GVHD」といいますが、この場合は必ずしも悪い反応ではなく、移植後に残っていた腫瘍細胞に対する反応で、自家移植にはみられません。 さらに、造血幹細胞移植後、1~3週間程度は、患者自身の免疫機能が低下している状態にあるため、感染症を起こしやすくなります。 無菌室への入室などの無菌処置がとられますが、患者の状態によりその内容は変わります。 移植後に白血球が回復しても、感染しやすい状態は変わらず、自家移植では同種移植よりも低率とはいえ、健康な人ではかからないような感染症にかかることもあります。 この他、移植前処置の影響も含めると、粘膜や心臓、呼吸器、肝臓、腎臓、生殖器などで障害が起こる可能性があります。 悪性リンパ腫の再発 悪性リンパ腫の8割は、臨床症状が出現することによって再発が確認されています。 CT検査などで早期に再発しているかどうかを発見できた例もあるものの、早期発見が予後と関わっているかどうかは現在のところ不明とされています。 悪性リンパ腫は再発すると、もともとかかっていた病型と、異なった病型になっている可能性が高いため、腫瘍の生検を行ってから慎重に治療方法を決定します。 治療が終了して寛解した場合でも、最初の2年間は2~3か月に1回、その後も最低でも3~6か月間に1回の検査を行って慎重に経過を観察していきます。 寛解せず、難治性であった場合は、頻度を高めて定期的に受診して検査等を受け、再発していないかどうかを観察していくことが必要となります。 keio-hematology. kakohp. jshem. jfcr. ncc. pref. osaka. chiba-cancer-registry. gan. med. kyushu-u. pref. aichi. pref. aichi. bmdc. jrc. html.

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